柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第91回
Acrobat Readerで、PDFにフォントを埋め込むには
Windows 10搭載のモリサワフォントを古いOSに表示させる方法
2019年02月20日 11時00分更新
本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第91回は、最新Windows 10に搭載されたモリサワフォントを古いOSでも表示させてみる。
プレゼンや講演をする際、現場のPCが古いとPowerPointなどが利用できないことがある。そんなときこそ、Acrobat Reader&PDFファイルの出番。どんな環境でもコンテンツを表示できるので、プレゼンや講演の資料を再生できる。ただし、古い環境で快適に表示させるために、PDFファイルを軽量化すると、想定通りに表示されないことがあるので注意が必要。今回は、最新Windows 10に搭載されているモリサワフォントを古いOSでも表示させる方法を紹介しよう。
PDFファイルの作成時にフォントを埋め込むのを忘れずに
Windows 10 October Updateでは、モリサワのBIZ UDフォントが搭載された。ビジネス資料にぴったりの読みやすいフォントで、標準で利用できるようになったのは大歓迎したい。早速、BIZ UDフォントを使って作成したプレゼン資料は、そのまま表示したいところ。古いPCでプレゼンするために、PDFファイルで保存し、自分のPCでリハーサルも行い、準備万端。しかし、現場で再生したら、汚いフォントで表示されてしまったということがある。
これは、Acrobat DCでPDFにフォントを埋め込んでいない場合に起きる現象だ。表示する環境にPDFで使われているフォントがない場合、自動的に代替フォントに置き換えられて表示される。それもない場合は、文字化けしてしまうのだ。どんな環境でも、指定のフォントで表示したい場合は、PDFファイルにフォントを埋め込んでおく必要がある。
PDFを軽くするために、「Acrobat」タブの「環境設定」→「PDF設定」で「最小ファイルサイズ」を選択してみる。すると、ファイルサイズは2.25MBから202KBへと激減。確かに、PCの負担は軽くなる。作成したPCで開いても、問題なくBIZ UDフォントで表示される。
このファイルを、たとえばWindows 7といった古いPCで開くと、明らかに昔のMSゴシックになっているのがわかるだろう。これは、BIZ UDフォントがないため、自動的に代替フォントで表示されているため。
指定されたフォントと実際に表示しているフォントは、文書のプロパティを開き、「フォント」タブで確認できる。作成環境では「BIZ-UDGothic/BIZUDゴシック」になっているが、古い環境では「BIZ-UDGothic/MSPゴシック」になっているのだ。
フォントをPDFに埋め込むなら、「PDF設定」で「最小ファイルサイズ」以外を選べばいい。どうしても「最小ファイルサイズ」設定を使う場合は、選択後に「詳細設定」を開き、「すべてのフォントを埋め込む」にチェックすればいい。この状態でPDFファイルにすれば、ファイルサイズをコンパクトにしつつ、フォントを埋め込めるようになる。
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