柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第90回
Acrobat DCの「共有」機能で、PDFを相手が開いたかどうか確認
営業資料を相手が読み終わったタイミングに電話する方法
2019年02月12日 17時00分更新
本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第90回は、営業資料を相手が開いて読み終わったタイミングで通知が来るようにしてみる。
送ったPDFファイルを相手が開いたかどうかを確認できる「共有」機能
取引先から商材について問い合わせがあり、資料のPDFファイルを送ったあと、次は適当なタイミングで電話をかけることも多いだろう。しかし、まる1日以上経って電話しても、見ていないこともある。「資料見ていただけましたか?」と言って、見てないよと不機嫌になられては商談がストップしてしまう。とは言え、1週間も放置すれば、中身を忘れられかねない。
そんなとき、Acrobat DCなら、送ったPDFファイルを相手が開いたかどうかを確認できる。開いたときに、通知を受け取ることも可能だ。通知が出た5分後に電話すれば、「お、ちょうど質問があったんだよ」というように話が弾むかもしれない。
利用するのは、「共有」機能だ。資料のPDFファイルを表示し、「ツール」から「共有」を開くと右側にメニューが現れる。ここで相手を指定する。メールアドレスを入力したり、Outlookのアドレス帳からなら名前で検索したりできる。
「受信者ができること」で「ファイルの表示」を選び、名前(件名)やメッセージを入力し、「送信」をクリック。すると、PDFファイルがDocument Cloudにアップロードされ、そのURLが指定されたメールアドレスに送信される。
相手が受信メールの「表示」をクリックすると、ブラウザーでPDFファイルが表示される。ダウンロードすることも可能。すると、送信者には開封した通知が表示される。同時に、登録してあるメールアドレスに「開封確認」メールが届く。Acrobat DC上でアクティビティを開き、誰が何時にPDFを表示したりダウンロードしたのかを確認することも可能だ。
これで、送った相手がいつPDFファイルを閲覧したのかがわかる。開封通知が来てから少し時間をおいて電話すれば商談のベストタイミングになるかもしれない。数日経っても開封されない場合は、再送すればいい。電話する場合、開封していないのがわかっているのだから、「ご覧いただけましたでしょうか?」では気分を損ないかねないので、「届いておりますでしょうか?」と言うような対策も取れる。
Acrobat DCから直接送ると、HTMLメールになるが、普通のテキストメールで送りたいなら、リンクをコピー&ペーストしてメールを作成すればいい。SlackやChatworkといったチャットツールなどで共有する場合にも利用できる。「ユーザーを招待」ではなく「リンクを取得」をクリックし、「ファイルの表示」にチェックし、「リンクを作成」をクリック。生成されたURLをコピーして共有すればいい。この場合、「ユーザーを招待」と同様に「ホーム」画面で開封状況を確認することはできるが、Windowsへの通知や開封確認メールはないので注意しよう。
メール添付で共有するなら「添付ファイルとして送信」をクリックすれば、メールソフトやウェブメールに添付して送信できる。ただし、この場合は、当然ながら開封したかどうかをトラッキングすることはできない。
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