このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

ラグビーワールドカップ2019後、ラグビーを繁盛させたい

2019年02月25日 06時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ガチ鈴木 /ASCII編集部 写真● 曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

――ラグビーW杯の後がどうなっていれば成功とお考えですか?

本田 一言で言うと”繁盛している”ということに尽きます。

 ”繁盛している”をもう一歩踏み込むと、そこでやるラグビーの興行が賑わっているということです。ラグビーの興行とは、日本代表の試合もたまにあるかもしれないが、ジャパンラグビートップリーグの試合や大学ラグビーの試合も含まれます。高校ラグビーは毎年繁盛していますが、エリートレベルの大学、社会人のエリートレベルをどうやって繁盛させるか。そのアプローチはいくつかあります。今の議論は、どういう人をターゲットにアプローチするかというところです。

 例えば大阪にはジャパンラグビートップリーグに参加するチームが2チームあり、選手もたくさん輩出しています。でも大学以上になると、なんとなく盛り上がりきれていないようなところがあります。チームの活性化や活性化は我々には力が及ばない部分ですが、1つの重要な要素です。選手が気分良く堂々とプレーしてもらうために、ファンなど周囲の雰囲気が変わることでプレーが良くなり、さらにファンが増える――そういう姿になってほしい。そのための過程として何をすべきかを今話をしています。

――現在の日本のラグビー人口は?

本田 競技登録者は現在おおよそ10万人です。これを12万人にするのが当面の目標です。

 一方で、ラグビースクールでラグビーをやる人は増加傾向にあります。特に小学生、中学生は増加しています。前回のラグビーW杯での日本チームの活躍を観て、やってみようかなという人は増えましたが、その前から増加傾向にはありました。ですが、W杯の後に急増した人に対応する体制がなかったのは1つの課題でした。見学に来た子供がすぐにラグビーをやってみよう、となるためのサポートがあるのとないのとでは、大きく違ってくると思います。

 日本ラグビー協会では、どこに行ったらラグビーができるなどの情報にアクセスしやすいようにするため、2018年の春から全国一斉体験会を始めました。それぞれのラグビースクールで毎年新学年になると子供が入って来ますが、必ずしも体験に関する情報が伝わっていなかった。そこで、全国一斉体験会として各都道府県で体験会の時期やスクールなどの情報をまとめ、メディアにも扱っていただきやすい形にしました。この取り組みは今後も継続していきます。2019年は春、そしてW杯が終わった直後の11月にもやろうと考えています。

本田 祐嗣氏(ラグビーワールドカップ2019組織員会 JRFU連携・レガシー局レガシー部 部長)

建設技術者、リスクマネジメントのコンサルタントを経て、2012年からラグビーワールドカップ2019組織委員会で大会の開催準備に関わる。開催都市の募集、事業の全体スケジュールと基礎計画の整備を担当。現在は新装なった東大阪市花園ラグビー場、福岡で今年創設されたアジアラグビー交流フェスタの将来にわたっての発展など、大会のレガシーにつながる活動に取り組む。大学で土木工学、大学院でTown & Regional Planningを専攻。大阪府出身。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

「スポーツビジネス」の詳細情報はこちら
  • Sports Marketing

    スポーツを活用するマーケティング戦略を追う

  • Sports Technology

    スポーツの世界を変えるテクノロジーたち

アクセスランキング
ピックアップ