新CPUやGPUが登場し、PCまわりの環境更新が忙しい年だった2018年。すでにPCをアップグレードした人、これからBTOPCの購入や自作を考えているという人も多いと思うが、あわせて導入を検討したいのがディスプレーだ。新しいPCにあわせてデュアルディスプレー環境を構築して作業性を向上させるのもいいし、ハイリフレッシュレートのゲーミングディスプレーでリッチにPCゲームをプレイするのもいいだろう。
この特集では、そんな液晶ディスプレーの選び方やおすすめの製品を紹介する。
駆動方式や解像度って何? ディスプレー選びの基本を押さえる
一口にディスプレーと言っても、画面サイズや液晶パネルの駆動方式の違いはもちろん、解像度やリフレッシュレートにも製品ごとの差があるため、自分の用途にあった製品を選ぶのはなかなか難しい。ここでは、ディスプレー選びの際に基本となるポイントをいくつか紹介しよう。
1:駆動方式
現在販売されている液晶ディスプレーには大別して3種類の駆動方式があり、それぞれIPS(In Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、TN(Twisted Nematic)方式のいずれかが採用されている。それぞれにメリットとデメリットがあるため、製品選びの際は気にしておきたいところだ。
IPS方式はほかの駆動方式にくらべ視野角が広く、色度変位も少ない。一般的に、液晶パネルを通った光は直進性が強くなり、斜め方向から見た場合は明るさが落ちたり色が変化してしまうものだが、液晶分子の回転方向が水平であるIPSパネルは、多少の角度がついた状態で画面を見てもほとんど発色が変わらない。色の再現度が高く、静止画の表示にもっとも優れた方式とされており、写真編集などクリエイティブな用途で使うならファーストチョイスに選ぶユーザーが多いと言える。一方でほかの方式の製品に比べ高価になりやすく、コントラスト比や輝度、応答速度が上げにくいといったデメリットもある。
VA方式は遮光性が高いためコントラスト比を上げやすく、黒の表現に優れるのが最大のメリットだ。ただしこれは画面を正面から見た場合に限り、ある程度以上の角度をつけた場合はIPSパネルよりもコントラストが落ちてしまう。引き締まった黒が得られるため、 映画などの映像鑑賞に向いており、高品質な液晶テレビでも採用されているが、その反面応答速度は遅くなりがち。一般的にはPCゲームには適していないが、高い電圧により応答速度を向上させるオーバードライブ機能をそなえたゲーミングディスプレーも存在する。
TN方式は低コストなため多くの製品で採用されており、ほかの方式にくらべて応答速度が速いのが特徴。そのぶん映像の残像感が少なくなるため、競技系のゲーミングディスプレーで多く利用されている。一方で色再現性は良くなく、VA方式以上に視野角が広くないため、複数人で見るような場面で利用されることはまずない。144Hz~240Hzのハイリフレッシュレート駆動とあわせたTN方式採用のハイエンドゲーミング製品は非常に多いため、ゲーマー向けと言えそうだ。
この連載の記事
- 第95回 後悔しないPCケース選び2020秋
- 第94回 Ryzen PRO 4000Gシリーズで自作するゲーミングPC
- 第93回 コンシューマーの名作も続々Steamに参戦! この夏やるべき新作・名作PCゲーム
- 第92回 Ryzen 3000XTシリーズではじめてのパソコン自作!
- 第91回 第10世代Coreと第3世代Ryzenで組むコスパ最強の自作PC
- 第90回 CometLake-Sことインテル第10世代Coreプロセッサーを見極める
- 第89回 勝つのはどっち? 第10世代Core vs Ryzen ゲーミングプラットフォーム最強決定戦
- 第88回 240Hz超え製品が登場! ゲーミング向けハイリフレッシュレート液晶ディスプレー最前線
- 第87回 一目惚れして自作したくなるPCケースを買う
- 第86回 「CoD: Warzone」も出た! 今からプレイしても遅くない、バトルロイヤル系シューター最新アップデート
- この連載の一覧へ