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あなたの行動が「おすすめ」に変わる

Googleマップの変化「どこに行くか」から「行ったらどうするか」

2018年12月24日 10時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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ユーザーの行動履歴やGoogleマップへの投稿など、さまざまな情報を基に「おすすめ度」が表示される。また一度、訪問した場所などには写真下部のように「その場所の情報」を求める表示が現れる

「マップ版SEO対策」や「通知量」などの問題も山積

 聞かれたことだけを答えるサービスから、「あなたにとってはこうした場所がおすすめですよ」と提案するサービスへ。これが、現在Googleマップに起きている変化といっていい。ただしこうしたことは、利用者側にも変化を強いる。

 おすすめ情報の核になっているのは「位置情報の履歴」だ。個人が「どこにいて、どう移動したか」ということはGoogleマップ上に記録されており、それを活用する。もちろん設定はオンオフできるが、Googleのいう「体験の発見」のためには、オンにしておく必要がある。

後藤:おすすめ度を示すための大きなシグナルとして使っているのは「ロケーション履歴」です。これは、みなさん驚くほど違います。どこにどれだけいたか、という情報が、おすすめ度を決めるための非常に大きなシグナルになることは、統計上わかっています。

 もちろん、そうやって出てくるのは「各個人ごとの情報」であり、他人に見えたり、他人のものが見えたりすることはありません。

 一方で、「そこがいい場所なのか」「どのくらい混んでいるのか」といった情報を集めるには、位置情報の履歴だけでなく、Googleマップの利用者からの情報も重要になる。だが、Googleマップの方向性が変化したからか、利用者に対しプッシュ通知で「その場所の情報」を求める表示が多くなり過ぎているのでは……と思うこともある。

 この点についてはGoogle側も認めつつ、「できれば回答してほしい」としている。なお、アプリ側の通知設定から、この種の情報提供の通知をオフにすることもできるので、「頻度が多すぎる」と思う方は、設定を見直してほしい。

 地点の情報としては、店舗のオーナーが記載する「店舗情報」も有効に使われている。また、前述のような「その場所に対する評価」の情報も、同様に重要だ。だが、こうした情報によって「おすすめ」されることのビジネス的な価値が向上してくることで、広告的な目的から「おすすめされる頻度をあげよう」とする事業者の存在も目立ってきた。

 ウェブにおける「SEO」から転じた「Map Engine Optimization(MAO)」とでもいうべき状況が生まれているのだ。これは、SEOと同じく、行き過ぎると正しい情報が出てこなくなる。この点はGoogle側も憂慮しているようだ。

後藤:「どうすれば高い評価になるか」という情報を示すことになるので、ランキングなどのアルゴリズムについては公表していません。また現状も、spam的といいますか、悪意をもった書き込みの検出の努力はかなりやっています。

 我々はみなさんの声を聞くのが大事だと思っています。ですから、情報については積極的にフィードバックをいただければ、と思います。

 Googleマップが「おすすめ」「推薦」的な機能をもっていくのは、技術的には必然のことだ。そこで、いかに自分の好みとマッチさせるか、いかに自分にとって「必要な時だけ快適に使えるもの」にするかが、大きなテーマとなっていくだろう。そのためには、やはり「これがいい」「ここはダメだ」というフィードバックをして、Googleとともにサービスを育てていく意識も必要になりそうだ。


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