さとうなおきの「週刊アジュール」 第74回
「Connect 2018」アップデート ~データ/AI/IoT編~
マネージドMariaDB、Azure Machine LearningサービスなどがGA
2018年12月20日 14時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2018年12月2日~12月8日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
2018年12月4日に、Microsoftの年次オンラインカンファレンス「Microsoft Connect 2018」が開催され、Scott Guthrieらによる基調講演が行われました。Connect 2018に合わせて、Azureに関連するアップデートも多数公開されました。「週刊アジュール」では、基調講演での発表をまとめた「Connect 2018」特別号外に続いて、Connect 2018でのAzureアップデートを、「アプリ開発/インフラ編」、「データ/AI/IoT編」の2回に分けてお伝えします。今回は「データ/AI/IoT編」です。
Azure Cosmos DB:.NET SDK、スループット下限の引き下げ、CORSなど
Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。
Azure Cosmos DBの.NET SDK バージョン3のパブリックプレビューがリリースされました。Azure Cosmos DBの.NET SDKは、今回リリースされたバージョン3から、オープンソースになりました。
- 既存の.NET、.NET Core SDKを統合し、.NET Standard 2.0向けのSDKに
- 新しいFluent API(CosmosClientクラスなど)
- 単体テストが簡単に
- 名前の変更(コレクションからコンテナーへの変更など)
- パフォーマンス改善
Azure Cosmos DBのデータベースレベルのスループットの下限が、10000 RU/sから400 RU/sに引き下げられました。パーティション分割されたコンテナーでのコンテナーレベルのスループットの下限も、1000 RU/sから400 RU/sに引き下げられました。
Azure Cosmos DBが、CORS(クロスオリジンリソース共有)をサポートしました。これによって、Azure Cosmos DBのJavaScript SDKを使ってウェブブラウザからAzure Cosmos DBに直接接続できるようになります。
Azure Cosmos DBのJavaScript SDKで、変更フィードがサポートされました。
Azure Cosmos DB Emulatorで、SQL API、MongoDB APIに加えて、新たにCassandra APIがサポートされました。
- ブログポスト「Azure Cosmos DB Developer experience updates December 2018」
- 更新情報「Azure Cosmos DB .NET SDK バージョン 3.0 の概要」
- ブログポスト「Azure Cosmos DB .NET SDK Version 3.0 now in public preview」
- 更新情報「Azure Cosmos DB の新たな共有データベース オファーがご利用いただけます」
- 更新情報「Azure Cosmos DB における CORS サポート」
- ブログポスト「Azure Cosmos DB now supports Cross-Origin Resource Sharing (CORS)」
Azure SQL Database:Managed InstanceのBusiness Criticalレベル
Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure SQL Databaseの一機能であるAzure SQL Database Managed Instanceは、オンプレミスのSQL Serverとの100%に近い互換性を持つデータベースサービスです。
10月に発表されていた通り、Azure SQL Database Managed InstanceのBusiness CriticalレベルがGA(一般提供)になりました。
- 更新情報「Azure SQL Database Managed Instance - Business Criticalサービス レベルの提供開始」
- ブログポスト「Migrate mission critical SQL workloads to the most economical cloud destination」
Azure Database for MariaDB:GA、仮想ネットワークサービスエンドポイント
Azure Database for MariaDBは、MariaDBベースのリレーショナルデータベースサービスです。
9月のIgnite 2018カンファレンスで、Azure Database for MariaDBのプレビューが始まっていました。
今回、Azure Database for MariaDBがGAになりました。
- 更新情報「Azure Database for MariaDB をご利用いただけます」
- ブログポスト「Announcing the general availability of Azure Database for MariaDB」
仮想ネットワーク機能を提供するAzure Virtual Networkは、Azureサービスへのアクセスを特定の仮想ネットワーク(VNET)からのみに制限し、インターネット経由のアクセスを遮断することができる「仮想ネットワークサービスエンドポイント」を提供しています。
仮想ネットワークサービスエンドポイントのAzure Database for MariaDBサポートが、パブリックプレビューになりました。
Azure Database for MySQL/PostgreSQL:仮想コア上限拡張
Azure Database for MySQL、Azure Database for PostgreSQLは、MySQL、PostgreSQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for MySQL、Azure Database for PostgreSQLの汎用レベルでは64仮想コアまで、メモリ最適化レベルでは32仮想コアまでスケールアップできるようになりました。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ