PC Jr.不評の原因は
拡張性と互換性の排除
PC Jr.の問題はコスト削減のために拡張性を削り、キーボードなどを廉価すぎるものにしたことだ。特にキーボードはおそろしく操作性が悪く、また赤外線接続としたものの、これが蛍光灯の影響を受けやすいといった欠点もあって、評判を一気に下げる原因となった。
またメモリーが128KBではほとんどのアプリケーションが動作せず、結局拡張カードで増設する必要があったのでその分割安感は薄れたし、その拡張カードも独自規格で、しかもスロット数そのものが少なかった。
画像の出典は、Wikipedia
ちなみにPC Jr.では拡張カードを減らした代わりにROMスロットが用意され、例えばBASICはこのROMカセットからブートできたほか、シリアルポートやパラレルポートをROMスロット経由で増設できる(*)ことで拡張性の少なさを補おうとしたが、問題はこれがIBM-PCと全く互換性がなかったことだ。
(*) サードパーティ品の中には、このROMスロットをディジーチェーン式に拡張できるものもあった。
BIOSそのものはもちろん互換性があったのだが、メモリーが少なすぎる、2台目のFDDは接続できないといった、IBM-PCやIBM-PC/XTでは暗黙の標準とされていた諸々の事柄が、PC Jr.では全部制約事項としてのしかかることなった。
なにせWordStarやLotus 1-2-3ですら動かない(Lotus 1-2-3は後でPC Jr.版がリリースされた)というのは大問題である。こんなことは開発中にわかっていたはずなのに、それでも改善できなかったというのはなかなかシリアスな問題であろう。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第894回
PC
AMD「Ryzen AI Embedded X100」のリアルタイムAI制御が、Jetsonの弱点であるCPU性能を突く -
第893回
PC
インテル製GPU「Crescent Island」の正体、容量480GBメモリーでエージェント型AIとKVキャッシュ問題に挑む -
第892回
PC
Hot Chipsで明かされた「Wildcat Lake」の全貌 Foverosを捨てMCPを選んだインテルの舞台裏 -
第891回
PC
謎多き次世代Xeon「Diamond Rapids」を解剖、3D Meshの進化と新命令セットAPXがもたらす変革 -
第890回
PC
Samsung「SF2P」の全貌! GAA最大の弱点であるPMOS性能低下を克服し、TSMC追撃へ準備万端 -
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 -
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ - この連載の一覧へ











