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山谷剛史の「アジアIT小話」 第160回

ECが盛んもリアル店舗が復活中の中国 OPPO製スマホとパチモノを購入

2018年11月30日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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大手ECサイトや店頭では減ってきた怪しい製品だが
そうした製品を扱うサイトもいまだ存在する

 リアル店舗も復活してきた中国だが、こうしたショップではB級デジタル製品を買うことは今では難しい。昔はそうした製品が揃っていた淘宝網もうさんくさい商品をあまり扱わなくなった。だがB級デジタル製品が中国から消えたわけではない。

 たとえば「pinduoduo」(https://www.pinduoduo.com/)という新興のECサイトは、小奇麗になった淘宝網が扱わなくなったB級商品を多数そろえる。あえて昔ながらのB級デジタル製品が欲しいのならば、中国の友人に買ってもらおう(中国からしか買えない)。

pinduoduoで売られる怪しいスマホ

 筆者が買ったのは「R11S」という製品だ。OPPO「R11s」という製品があって日本でも販売されたが、OPPOの文字はなく、ただ「R11S」という製品なのである。これが実にうさんくさい。しかも268元、日本円で4000円台前半で購入できる。「5.5インチフルスクリーン、指紋認証、顔認証、RAM6GB、ROM128GB」というスペックに、そんなわけがないと思いながらも勉強代として購入した。怪しいB級商品ばかり売られるPinduoduoだが、商品はちゃんと届く。

謎のスマホの紹介ページ。4000円でこのスペックはないだろうなと思いながらも購入する。なおこのスマートフォンの売価は238元で、99元のを買おうとするとノンブランドの激安フィーチャーフォンが届く

 届いた謎のスマートフォンは電源は入り、OS(Android 4.4.2)は起動するものの、価格のままの低スペックだった。CPU-Zをインストールして走らせてみると、CPUはMediatek MT6572 1.3GHz、512MBメモリー、3GBストレージ、解像度は480×854程度のようで、サイトでの商品スペックとはまったく異なり動かないことはないものの貧弱なスペックであった。また、お粗末なスペックであるだけでなく、ディスプレーの品質もよくないものであった。昔懐かしい安かろう悪かろうの機種がpingduoduoで生き続けていてがっかり半分、うれしさ半分だろうか。

こちらが届いたスマホ。性能は完全なエントリークラス。指紋が表示されるが、実は画面をタップするだけでロック解除できた

 中国には昔ながらのダメ製品と、最新のスゴイ製品が今も共存する。それを確認できた中国の一大セールの買い物だった。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人〜ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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