iPad Pro、MacBook Air、Mac mini……アップル2018年10月新製品まとめ 第11回
明らかにiPadのイメージが変わる1台:
新iPad Proはコスパ高い Macより快適かも
2018年11月05日 20時00分更新
●iPadのイメージが変わる
悩むのはサイズ選び
iPad Proはタブレットというカテゴリを脱し、コンピュータのカテゴリとしての発展や他社製品、あるいは自社製品であるMacとの競合を展開していく、意欲的な製品でした。
プロセッサの性能は、4Kビデオを3ストリーム同時に楽々流せるだけの処理速度と、3DもARも高いフレームレートで楽しめる、そんなパワフルさを備えます。同時に、最新のMacBook Airとともに、外装を100%リサイクルアルミニウムで実現する、これからのコンピュータのあるべき責任も示しました。
確かに、iPadはmacOSともWindowsとも異なるiOSのみが動作します。これまでのコンピュータからすれば、新参者として不利になる点は、ユーザー側のアプリやデータの資産の問題となります。
しかし、iPhoneの開発者のiPad向けアプリの提供や、2019年からMac向けアプリとiPad向けアプリを1つのコードで開発できるようになる仕組み、AdobeやAutodeskといった著名ソフトウェア企業のiPad向けアプリの充実などを見ると、iPad Proはそのうち、処理性能に対する価格の安さをウリとした、新しいポジションを獲得する予感すらさせます。
そこで、どのサイズを選ぶか、という問題が出てきます。正直なところ、実物を見れば見るほど、悩みが深くなっていきます。
これまで9.7インチや10.5インチのiPadを使ってきたら、同じサイズで画面が拡大する11インチモデルは魅力的でしょう。ただし、Smart Keyboard Folioのキーボード部分は、これまでのサイズと変わらず、フルキーボードよりも小さなままとなります。
一方12.9インチモデルは画面サイズをそのままにベゼルの縮小分だけ小さくコンパクトになりました。米国ではレターサイズと言いますが、日本ではA4サイズがおさまるカバンを持っていれば、そこにiPad Pro 12.9インチモデルをおさめられる、ということです。
フォリオのキーボードもフルサイズをうたい、スケッチをしないとしても、より大きな画面でクリエイティブアプリをパワフルに動かすことができます。
あとは、カバンのサイズや重さ、財布との兼ね合いです。
もし動画視聴が多いという人は、12.9インチも検討してみるべきでしょう。よりサラウンドに包まれるようなオーディオ体験には、気をつけないと、とりつかれてしまうかもしれません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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