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1万円の超音波水耕栽培装置で栽培した野菜 味はもうひとつ

2018年10月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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LED育ちは色が濃い

 さて、ここまでかかった照明関連の材料費は以下のとおり。

・LED電球 2920円
・E26ソケット付きコード 860円(2個入り)
・組み立てラック一式 1188円
・サバイバルシート 324円

 計5292円。前回の栽培槽の材料費6037円と合わせると、1万1329円。これにランニングコストとして、タネ、液体肥料、電気代がかかる。結構な値段になるが、それでも市販のLED照明付き水耕栽培キットよりは、ちょっと安上がりだ。

 こうしてLEDを24時間付けっ放しで育てた結果、タネを蒔いて24日目の10月10日には、もう収穫可能な状態……というより、育ちすぎのような状態になっていた。びっくり。

 根はすっかり伸びて、養液の液面に到達。夏にSANEIの水耕栽培キット「ie・na」で試した窓際栽培チンゲンサイに比べると、成長は格段に速い。タネを蒔いてから同じ20日後の様子で比べてみよう。

 上が自作超音波水耕栽培+LED、下がie・naの循環式水耕栽培+窓際自然光。LEDの方が色も濃いし、茎も太い。天候不順でたまに当たる日光よりも、延々とじわじわ注ぐ光の方が効くと言うことだろう。

 エアロポニックスは植物の成長も速いと言われるが、今回は照明の条件が違うので比較できない。これは、そのうち追試しようと思う。

気になる侵入者たちと食味

 

 課題もある。まず培地に使ったハイドロボールにカビが生えてしまった。これは下から加湿し続けている上に、風通しが悪かったのが原因だ。設置場所と培地の選択については再考の余地がある。

 さらには、どこから侵入したのか、藻も発生していた。これは半透明の容器を遮光していなかったのが原因だろう。LEDでも藻は生えるのだ。どうやらこれも培地から伝ったようなので、培地を含めアルミ箔で覆うか、光を通さない容器に変えて試してみたい。

 最後に、肝心な収穫物の食味だが、夏に試したSANEIのie・naのミニチンの方が良かった。今回のミニチンは、色が濃いことでも想像できたが、ちょっと硬くて苦味も多かった。ie・naのミニチンはサラダでも食べられたが、今回のものは煮るなり炒めるなりしたい感じだ。LEDを当てる時間を減らしたり、ハイポニカ養液の希釈率を変えたりしながら、どうなるかも試してみたい。

 最初は枯れずに育てばいい程度の気持ちで始めたものを、すでに食味まで気にしだしているあたり、わしも植物栽培者として成長したものよのお。などとよくわからない感慨に浸りながらごきげんよう!

四本 淑三(よつもと としみ)

北海道の建設会社で働く兼業テキストファイル製造業者。

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