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業界人の《ことば》から 第314回

日立がソニー製テレビを販売 白物家電とテレビの連携進むか

2018年10月18日 11時30分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「ソニーは黒物家電が中心であり、日立は白物家電が中心。ぶつかり合う部分が少ないことにくわえ、昨年度から保守領域で協業していた背景があった」(日立アプライアンスの徳永俊昭社長)

 日立の家電および空調の販売し、サービスを提供する日立コンシューマ・マーケティングと、家電の設計・製造の日立アプライアンスが合併し、2019年4月1日付で新会社を発足する。

 日立製作所では「社会構造の変化やデジタライゼーションの進展により、世界中の顧客のライフスタイルが多様化するなか、価値ある商品・サービスを提供していくため、変化に即応できる事業体へと進化し、顧客に寄り添い、生活課題の解決を通じて、世界中の人々のQoLを高める生活ソリューションカンパニーを目指す」と、新会社発足の狙いを語る。

 同社家電事業のスローガンである「360°ハピネス」は継続的に使用。デジタル技術を活用した「QoL向上サービス」および「プロダクト事業のさらなる成長」に取り組む姿勢をみせる。

  新会社は日立製作所の100%出資子会社で、資本金は200億円。社員数は約1万1300人。家電、照明・住宅設備機器の開発、製造、販売、エンジニアリングおよび保守サービス、冷凍・空調機器の販売および保守サービスを展開する。新会社の社名や社長などは後日発表することになる。

新会社の売上高は5000億円を超す見込み

 日立アプライアンスの社長であり、日立製作所の生活・エコシステム事業統括本部統括本部長も務める徳永俊昭氏は、「大量生産によって製品を市場に届ける従来構造のなかでは、販売・サービス会社と、設計・製造の会社が並列で仕事をする仕組みが最も機能した。だが、顧客のライフスタイルが多様化する時代へと変わり、生活者がどんな生活課題を抱えているのかを把握し、それを直接製造サイドにつなげることが、顧客の課題を解決し、当社の事業を成功につなげることができる仕組みだと考えた。2つの会社を1つの会社に統合する狙いはそこにある」と語る。

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