本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第76回は、Acrobat DCとA4プリンターで大きなポスターを印刷してみる。
壁に張り出すために、資料やポスターを大きく印刷したいことがあるだろう。通常のA4サイズやB4サイズのプリンターでは物足りないが、A3サイズのインクジェットプリンターだと10万円近くするし、A1サイズだと20万円近くする。写真などの作品として展示するなら印刷品質が求められるが、そうではないならAcrobat DCと手持ちのプリンターで大きく印刷することができる。
1ページを複数枚に分割して、あとで貼り合わせるのだ。さらに、単に分割印刷するだけでなく、のりしろを確保したり、位置を記載したり、切取りガイドを用意することもできる。
まずは、印刷したいPDFを開き、印刷ダイアログを表示する。「ページサイズ処理」の「ポスター」をクリックし、倍率や各種設定を行なう。右側のプレビューを見ながら調整しよう。点線で印刷するページが表されており、その上に印刷サイズや必要ページ数が表示されている。サンプルファイルは解像度の高い写真だったので、等倍だと横2メートル近く、36枚も使うようになっていた。そのため、倍率を落とし、6枚に収まるように設定した。また、のり付けするため、「重なり」を10㎜に設定した。
この状態で印刷すると、PDFの1ページが6枚に分割して印刷される。片側の余白をカッターで切取り、10㎜の重なりがあるので、ちょうど合うように調整してのり付けすればOK。これで大きなポスターが完成する。
横に長い横断幕も簡単に作れる。倍率を調整して横幅を決めよう。印刷して即自分が貼り付け作業するのであれば問題ないが、ほかの人に渡す場合など、ページの順番を指定する必要があるなら「ラベル」にチェックしておこう。ファイル名や印刷日時に加え、タイルの位置情報も印刷してくれるのだ。「ページ 1 (2,1)」は、1行目の左から2枚目、ということを表している。
なお、複数ページある場合、すべてポスター印刷するならそのままでOK。もし、標準サイズのページは分割せず、そのままの大きさで印刷するなら「大きいページのみを分割」にチェックすればいい。
紛らわしい絵柄など、重なりを合わせるのが難しい場合は、「タイルマーク」にチェックする。これは「重なり」と組み合わせて利用する機能で、各ページの四隅に位置を示すマークを印刷してくれるのだ。
コンシューマー向けのインクジェットプリンタで用紙を分割しているので、1枚に綺麗に印刷したポスターと比べると少々見栄えはよくない。とはいえ、イベント会場の案内など、大きいことが正義、というケースにはとても役立つ。高価な印刷サービスを利用するまでもなく、サクッと自宅やオフィスで用意できるのも便利。いざというときに覚えておきたいテクニックだ。
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