今回のことば
「プリンター市場での生き残りをかけて、大容量インクジェットプリンター市場で、20%のシェア獲得を目指す」(ブラザー販売の三島勉社長)
ブラザー販売は、大容量インクカートリッジ搭載プリンターに本腰を入れる。
同社のインクジェットプリンター「PRIVIO(プリビオ)」シリーズの新製品として、大容量インクカートリッジとサブタンクを搭載した「ファーストタンク」シリーズを投入。ブラザー販売の三島勉社長は「ブラザーはプリンター市場での生き残りをかけて、大容量インクジェットプリンター市場に新製品を投入し、この分野で20%のシェア獲得を目指す」と宣言した。
国内インクジェット複合機市場は、2011年をピークにマイナス成長が続いている。しかしそのなかでも大容量インクジェットプリンターは、2017年度には前年比約3倍と大幅な成長を記録。GfK Japanの調べによると、台数ベースでは市場全体の約3.0%、金額ベースでは約8.4%を占めている。
この分野はエプソンが先行し、とくに新興国を中心に広がりをみせている。セイコーエプソンでは2018年度において、全世界のインクジェットプリンターの出荷台数のうち、55%を占める計画で、同社プリンタービジネスの中心となっている。日本においても、昨年度からテレビCMなどを通じて積極的な展開を開始している。
ブラザーも成長分野である大容量インクジェットプリンター市場に本格的に参入。同社では、「ファーストタンク」という新たなブランドを用意して、「はじめての大容量は、ファーストタンクから」をキーメッセージに、印刷機会が多い家庭からビジネス用途まで、様々な顧客への販売を強化していく考えだ。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ