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Windows情報局ななふぉ出張所 第118回

デスマと化す前に逃げ出そう:

サマータイムはデメリットが多すぎる

2018年08月21日 09時00分更新

文● 山口健太

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■開発もデプロイも課題は山積み

 そこで、サマータイムに対応すべくソフトウェアを修正することになります。プログラミングの経験がある人なら、修正するコードの行数はそれほど多くないと感じるかもしれません。

 しかしソースコードを修正するには、仕様を決める必要があります。これまで日本に存在しなかったサマータイムという概念ができることで、業務にどのような影響が及ぶのか、調査するところから始めるわけです。その影響範囲は国内だけでなく海外にも広がるでしょう。

飛行機のオンラインチェックインは24時間前に開始。夏時間への切り替え日はどうなるか、といった問題が多発する。

 いざソフトウェアを修正するとなっても、課題は山積みです。ソフトウェアが古く、仕様書やソースコードが行方不明になっているとか、ロストテクノロジーと化した言語やライブラリが使われており、現場の誰もが解読できないといった事態もありえます。

 開発が無事に終わっても、本番環境のソフトウェアを入れ替えるデプロイに大変なコストがかかります。デプロイを自動化した最新のWebサービスならまだしも、機器が動作している現場まで行ってケーブルをつなぎ、コマンドを叩く作業が必要なものもあるからです。

 サマータイムの開始時にはシステム切り替えに伴うサービス停止は避けられず、機会損失も生まれそうです。システム改修費用の総額は、消費税増税などの事例を考えても、中小企業で数千万から数億円、大企業では数億から数百億円規模になるのではないでしょうか。

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