■プロセッサーの力で、ユーザーが求める写真を作り出す
最新モデルのXZ2 Premiumには、危機を乗り越える可能性を秘めたチップが載っています。独自の画像処理プロセッサー「AUBE」です。ソニーモバイルには自社SoCこそないものの、他社のハイエンド機も採用しているイメージセンサーや画像処理チップをグループ会社で作れるという強みがあります。
これらのハードウェアがあれば、今後のスマホカメラのトレンドにも十分に追従できるのではないかと思えてきます。プロセッサーの演算能力を活かし、ユーザーが求める写真を「作り出す」という方向性です。
たとえばセルフィーの場合、OppoのF5は「本当の自分を撮ろう」(Capture the real you)とうたっています。本当の自分とは鏡に映るリアルな現実ではなく、誰もがうらやむ美しい肌をもち、SNSでたくさんの「いいね」をもらえるような自分のことです。
風景写真では、ファーウェイのHUAWEI P20 Proが搭載した夜景モードは、シーンによって不自然に感じる場面もあるとはいえ、時には人間の肉眼を超え、ユーザーが求める写真を作り出してくれます。
ただ、どんなにすぐれた技術でもタイミングは重要です。今年2月のMobile World Congress 2018では、新製品としてXperia XZ2を発表した直後、4月に発表するXperia XZ2 Premiumのデュアルカメラをチラ見せして、Xperia XZ2に型落ちのような印象を与えてしまいました。Xperia XZ2 Premiumが国内で発売されたのは8月で、グローバルでは次世代モデルが気になる時期です。
Xperiaにはイメージセンサーや画像処理チップなど今後の進化に必要な要素技術がそろっています。今後は要素技術を活かしたソフトウェアをのせた製品を、タイミングよく市場に出していけるかに期待したいところです。
この連載の記事
-
第270回
スマホ
iPhone値上げ、Pixel躍進──2022年のスマホを振り返る -
第269回
Apple
アップル「iPad(第10世代)」なぜ値上げ? -
第268回
iPhone
iPhone「mini」ユーザーはどこへ向かうのか -
第267回
Apple
アップル「M2 MacBook Air」M1ユーザー視点でレビュー -
第266回
スマホ
iPhone値上げ 高コスパAndroidにチャンスはあるか -
第265回
Apple
アップル製品の「壁」を取り払う新機能に注目 #WWDC22 -
第264回
スマホ
メガネをかけると大画面? 「Nreal Air」を試した -
第263回
ビジネス
在庫不足のアップル、コスト増のアマゾン──GAFA決算、各社の課題浮き彫り -
第262回
PC
出張用のPCやモバイル回線を見直した -
第261回
Apple
アップル「Mac Studio」Mac miniから買い換える価値はある? -
第260回
スマホ
楽天モバイル「Apple Watch」は新たな強みになるか - この連載の一覧へ