アメリカ商務省の制裁によりZTEはアメリカからのスマートフォン部材が購入できなくなり、今年上半期のビジネスに大きな打撃を受けました。4月16日に制裁発動、7月13日に解除となりましたが、この3ヵ月間は「AXON M」などZTEの顔となる製品の製造にも大きな影響が出てしまいました。
アメリカではZTEのスマートフォン販売は好調で、特にプリペイド向けの製品は価格が安いこともあり人気となっています。制裁が解除された8月、アメリカでどんな製品が売られているかを見てきました。
低価格なスマートフォンといえばMVNOから出ているものと思われがちですが、ニューヨークで宿泊したホテルそばの量販店で一番安かったのはAT&Tが販売する「Maven 3」で34.99ドルでした。Snapdragon 210、メモリー1GB、内蔵ストレージ8GB、5型(480x854ドット)ディスプレー、メインカメラ500万画素、フロントカメラ200万画素のエントリー機で、約1年前に発売になったモデルです。それでも日本円で3000円台で買える価格は魅力的。ただし、通信料金にこだわる人はMVNOを選ぶでしょう。
大手のMNOではVerizonもプリペイド機をいくつか出しています。Verizonは通信料金は高めですが、ネットワークの安定性ではおそらくアメリカで一番でしょう。5Gの開始もアメリカ一番乗りを目指していますし、通信品質を考えるユーザーでプリペイド払いを求める層がターゲットでしょうか。Verizonはプリペイドスマートフォンの数も他キャリアより少なめですが、そのうちの1つがZTEというあたり、プリペイド向け端末として人気のブランドです。
2017年末発売の「Blade Vantage」はSnapdragon 210、メモリー2GB、内蔵ストレージ8GB、5型(480x854ドット)ディスプレーと、AT&TのMarven3とほとんど変わらぬスペック。ところがネットワーク対応がなんとLTEのみという変わり種です。LTEのBandは2/4/5/13のみに対応しており、海外で使うことは意識されていません。ちょっと大胆な仕様です。価格は99.99ドルと、若干高め。
ZTEはMVNO向けにも多数のプリペイドスマートフォンを出していますが、立ち寄ったお店ではVirgin Mobile向けの製品が売り切れ。在庫があるのはCricket Wirelessの「Grand X 4 4G」のみでした。こちらは2016年末発売とやや古い製品ですが、Snapdragon 425、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GB、5.5型(720x1280ドット)ディスプレー、メインカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素と今でも十分通用するスペックからか、ロングセラーとなっています。価格も79.99ドルとお手頃なレンジ。
ZTEアメリカのウェブページを見るとアメリカのほぼ全キャリアにZTEはスマートフォンを展開しています。プリペイドユーザーにとっても端末のバリエーションは多いに越したことはありません。制裁解除となった今、プリペイド向けにも面白い製品を期待したいですね。できればAXON Mもプリペイドで値引き販売してほしいものです。
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