第2世代や第3世代のCPUを搭載したビジネスユースのパソコンを、ゲーミングマシンとしてリノベーションするサードウェーブの「リノベーションPC」。GPUを搭載し、メモリーを増設するなど、3Dゲームがある程度ストレスなく動く性能にカスタマイズしてあるのが特徴だ。
今回試用したリノベーションPCは、デルの「OptiPlex 7010 SFF」をゲーミング化したもの。はたしてマシン内部はどのようになっているのだろうか。そこで今回、リノベーションPCについて、内部やエアフローなどを検証してみた。
試用機の元となっているOptiPlex 7010 SFFは、スリム型デスクトップパソコン。ゲーミングマシンにリノベーションするために、GPUにGeForce GTX 1050 Tiが追加してある。上位のGeForce GTX 1060以上だと補助電源が必要になるため、本機の電源をいじらずに追加できるGPUは、現状だとGeForce GTX 1050 Tiが最上位となる。このGeForce GTX 1050 Tiは拡張スロット2段分使用するので、ケース内をみると余計な隙間もなくぴったりとはまる感じになっている。
電源からの配線なども含め、拡張空間にうまく収まっており、最初の設計段階からデフォルトでGPUがついているかのような印象を受ける。GPUの下にあるのは電源ユニットで、こちらは手が加わっていない。熱を持ちやすい電源のすぐ上にGPUがあるので、熱の影響が出ないか心配だが、室温40度の環境で合計4000時間の稼働テストを実施しており、とくに問題がないかを検証しているという話だ。
OptiPlex 7010 SFFは、側面にあるレバーを引くだけでカバーが外れるようになっており、メモリーの増設などもしやすくなっている。カバーを外すと以下のような感じだ。
写真右側がパソコンの前面になるが、その下にファンがついているのがわかる。エアフローとしては、このファンで取り入れた空気を電源に直接当てているほか、その上の隙間を通し、GPUやマザーボードへと空気が流れ、背面から排出される形だ。マシン上部は少し広めの空間があり、暖かい空気は上がっていく場所に熱の影響を受けやすい機器がないように配置されている。
また、GPUにもファンがついており、GPUの熱が上がりすぎないようになっている。しかし、実際に駆動させてみるとファンがかなりがんばっているなという音がする。騒音というほどではないが、電源を入れてからずっとファンが動いている音はするので、集中してゲームをプレーしたい場合は、ヘッドセットを使用したほうがいいかもしれない。
試用機のスペックは前回紹介したが、再度おさらいしておこう。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
Windowsマシンとしての快適さを測るWIN SCORE SHAREで計測したところ、試用機はストレージをHDDからSSDに変更しているため、プライマリディスクがとても速くなっている。CPUは第3世代ながら9.1ポイント、8GBに増設されているメモリーも9.1と、高いスコアになっている。GPUも8.5ポイントと高い。
さらにCrystalDiskmarkを使ってストレージの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
ストレージはSSDなので、ファイルの読み書きは高速。ゲームをする上で、ファイルの読み書きで快適さが変わるタイトルもあるため、SSDに置き換えられているのはありがたい。
次回はリノベーションPC「OptiPlex 7010 SFF」について実際にベンチマークを実施し、ゲーミングマシンとしてグラフィックスなどのマシン性能が十分かどうかを測ってみる。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | OptiPlex リノベーションPC |
CPU | Core i7-3770(3.400GHz) |
メモリー | 8GB(PC3-12800) |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 Ti |
ストレージ | 128GB SSD |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T) |
インターフェース(前面) | USB 3.0×2、USB 2.0×2、マイク端子、ヘッドフォン端子 |
インターフェース(背面) | USB 3.0×2、USB 2.0×4、PS/2端子×2、DVI-D端子、DisplayPort、HDMI端子×2、ラインイン端子、ラインアウト端子 |
サイズ | およそ幅93×奥行312×高さ290mm |
OS | Windows 10 Home(64bit) |