「Nokia 8110 4G」は、一般的には1999年にヒットした映画「マトリックス」に登場するノキアケータイの復刻モデルという位置づけらしい。
しかし、筆者は映画そのモノもぼんやりと覚えている程度なのだ。まして、そこに登場する携帯電話はほとんど記憶に残っていない。周囲のノキアファンから言われてかろうじて思い出す程度だ。
きっとハードボイルドなブラックモデルがその映画中で使われ、一部のユーザーの間で人気を博し、長い時を経て復刻を果たしたのだろう。
筆者が惹かれて衝動買いしたのは、そんなブラックモデルではなく、グッタリ感満載の正統派“バナナフォン”(元となったNokia 8110の愛称。本体が曲がっていることからこの名で呼ばれた)を彷彿とさせるおバカなイエローモデルだ(以下、復刻版は新バナナフォンとする)。
電話本体をドライブしているシステムは、AndroidでもiOSでもない「KaiOS」という比較的新しいOSだ。大昔は大好きだったが、ある時期からOSというモノにはほとんど興味を持たなくなった筆者は、このOSがどのような素性のものであるかはまったく理解していなかった。
周囲の博識者の聞くと、フィーチャーフォン用のOSとして最近は有望視されているようだ。
そして先ごろ、GoogleがこのOSを開発している企業に膨大な投資をしたことが大きな話題になっている。
世界のあちこちでは、先進国を対象とした高価なスマートフォンだけでは市場を席巻することができない国がまだまだ多い。
安価なフィーチャーフォンを投入することで、KaiOSをテコにして膨大な数のスマホユーザー予備軍を育て、将来の利幅の取れる高級Androidスマホとその関連サービスを拡大するのが作戦目的のようだ。
すでに世界に存在する膨大な数のAndroidアプリの何パーセントかでもこのKaiOSの元で動作すれば、Googleにとってはなかなか美味しい市場拡大の展望が見えてくる。
そんな企業戦略とはまったく似合わないおバカな新バナナフォンの対比が面白い。いつの時代も自らおバカなイメージを発散しているモノは要注意アイテムなのだ。
チープながらもセンスの感じるパッケージ
欧州では79ユーロ(約1万円)という極めて安価な新バナナフォンのパッケージは、昨今の高級路線ブランド化を狙う中国や韓国のスマホパッケージとは対照的だ。
そのチープさと安いながらも想定ユーザーをしっかりと意識したセンスあるデザイン性がなかなか楽しい。
パッケージの中には、電話機本体と充電用のmicroUSBケーブルが生えたUSB/ACアダプター、小さな内蔵バッテリー(1500mAh)、取説が入っている。
もちろん詳細な操作説明書はNokiaサイトからPDFでダウンロードできる。
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