逆流性食道炎と診断され、炭酸・アルコール・カフェインなど刺激物の摂取を控えるよう担当医から注意されてしまいました。アスキーのコンビニグルメ担当記者である筆者にとってはかなり絶望的な宣告です。
逆流性食道炎は、胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流してとどまることで、食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や潰瘍を生じる病気です。胃には酸から粘膜を守る防御機能がはたらいていますが、食道にはこの防御機能がないため、胃酸が食道に逆流すると、粘膜が胃酸にさらされて炎症を起こすのです。主な症状として、胸やけや胸の痛みなどが挙げられます。
オリンパス おなかの健康ドットコムによれば、食事の内容、肥満、加齢、姿勢などによって下部食道括約筋などの食道を逆流から守る仕組みが弱まったり、胃酸が増えすぎたりすることで起こるようです。
じつは筆者、逆流性食道炎になるのは今回が始めてではありません。昨年、とつぜん胸の痛みを感じ、「はてさてこれは恋の病か、だとしたらお医者さまでも草津の湯でも治しようがない」などと軽口をたたきつつも、心臓になにかあったらどうしよう……とおびえにおびえて医者に行きました。各種の診察を受けてみると「心臓ではないと思いますよ」と言われ、最終的に胃カメラを飲む事態になり、みごとに逆流性食道炎と診断されました。
おまけに「食道裂孔ヘルニア」であることも発覚しました。「孔が裂するヘルニア」というおそろしい字面におそれおののきましたが、胃の一部が食道の方(上の方)に飛び出してしまうことで、逆流性食道炎になりやすいそうです。
昨年の場合は、胃酸の分泌を抑える薬を服用し、食生活を(自分なりに)見直すことで、無事、症状が緩和されました。生活習慣の改善だけでは症状を完全になくすのは難しいので、あわせて薬による治療をするのが一般的とのこと。
それからしばらく逆流性食道炎は収まっていたのですが、ふたたび生活習慣が悪化したことにともない、再発した疑いが強いと診断されました。すなわち、生活習慣の改善が必要です。
では具体的に何を改善すればいいのでしょうか。アステラス製薬の「逆流性食道炎 病気の基礎知識|なるほど病気ガイド」によれば、
「食生活を改善しましょう」「アルコール、コーヒー、緑茶を減らしましょう」「肥満を解消しましょう 」「姿勢に注意しましょう」「おなかを締めつけないようにしましょう」「禁煙しましょう」。
なるほど。まず食生活です。脂肪分やタンパク質の多い食事を摂りすぎないようにすることはもちろん、甘いものは胃酸を増やしたり胸やけの症状を悪くしたりするので食べ過ぎはNG。香辛料、酸味の強い果物、消化の悪い食べ物もよろしくないそうです。
筆者の食生活はどうでしょう? わかりやすい例でいうと、日頃の食事をそのまま記事にするというアジャイル型連載というべき「アスキー・ジャンク部」を手がけているのですが、そこで何を食べているかを振り返ってみます。
はっきりいって最低です。医師に食生活を正直に伝えたところ、「それはちょっと……」とたしなめられました。もうすこし気が短い医師なら怒られてもしかたなかったと思います。「じつは仕事で身体に悪いものを食べることが多いのです」とていねいに説明したところ、とても悲しい顔をされました。暴飲暴食が仕事の一部になる職業だとは知らなかったようです。
ちなみにジャンク部の記事は見せなかったのですが(見せる勇気がなかった)、仮に見せていたとしたら「パンズ・ラビリンス」のヴィダル大尉のような冷淡な目でにらまれていたと思います。ギレルモ・デル・トロ監督、「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞4部門受賞おめでとうございます。
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飲み物にも気をつけなくてはいけません。胃酸の分泌を増やすと同時に、食道下部括約筋をゆるめるアルコール、胃酸の分泌を増やすカフェインの摂取も控えたほうがよいとのこと。冷たい飲み物、炭酸も飲みすぎてはいけないそうな。
お酒関連の取材はグルメ担当のナベコさんに任せるとして、カフェインがとれないのは苦しい。筆者はコーヒーを愛飲するばかりか、エナジードリンクも飲みまくるので、かなり絶望的です。
そういえば、EXILEのAKIRAさんがテレビ番組で「レモンサワーを打ち上げで飲みすぎてメンバーが逆流性食道炎になってしまった」と笑い話を披露していましたが、柑橘系、アルコール、しかも炭酸で冷たいのですから、レモンサワーなんてもってのほかなのです。しばらくは、晩酌も控えなくては……。
さいわいなことに筆者は肥満体型ではありませんし、喫煙者でもありません。スーツを着る機会も少なく、おなかを締め付ける服装もあまりしていません。ただ、姿勢はかなり前傾気味のため(猫背です)、ここは改善の余地がありそうです。いまこの記事を書いているときも、不自然なほど椅子によりかかるようにして仕事をしています。
とにかく、これからは食生活をあらため、生活習慣についても見直す必要があります。編集業は体が資本です。医師に処方された薬をちゃんと飲みながら、日々の業務に差し支えない範囲で、胃腸にやさしい食事をしようと決意しました。30歳を過ぎましたし、そろそろ自分自身をいたわるフェーズに突入しているのかもしれません。
……と考えていたら、スペインはバルセロナで開催されていたMWC(Mobile World Congress)帰りのスピーディー末岡さんから、いきなり声をかけられました。「やあ小嶋くん! スペインのおみやげだよ!」
モーダル小嶋の明日にご期待ください。みなさんも胃腸にやさしい生活をこころがけましょう。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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