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マンションセキュリティから患者の見守り、働き方改革まで。広がる顔認証技術の適用領域

NECの顔認証技術がISV/SIパートナーとの「共創」で開く未来

2018年03月12日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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OBC:勤怠管理×顔認証で長時間労働の是正と「働き方改革」を促進

 最後に話をうかがったのは、「勘定奉行」などのビジネスソフトで知られるオービックビジネスコンサルタント(OBC)だ。OBCが提供するのは、クラウド型の「OMSS+勤怠管理サービス」とNECの顔認証システムを連携させた勤怠管理ソリューションである。今回は、両システム間の連携ツールを開発/販売しているSIパートナーの三和コンピュータ(NEC販売特約店)と共同で出展していた。

(左から)株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)マーケティング部 マーケティング推進室 室長の西英伸氏、同 マーケティング部 アライアンス推進グループ 課長代理の石倉宏一氏、三和コンピュータ株式会社 ソリューション事業本部 SIソリューション部の高松摩耶氏

 もともとOMSS+勤怠管理サービス(OBC就業奉行)では、従業員がタイムレコーダーやWebブラウザから出勤/退勤の打刻を行うと、そのデータを記録して個々人の勤務時間を自動集計する機能を備えている。同ソリューションでは、ここに顔認証システムも連携できるようにすることで、大きく2つの使い方を可能にしている。

 ひとつは、オフィスの出入口に設置したカメラ(タブレット端末でも可)と顔認証システムで従業員個々人を識別し、自動的に出勤/退勤時刻を打刻するという使い方だ。これにより、打刻のし忘れやIDカードの貸し借りによる“なりすまし打刻”を防ぎ、正確な勤怠管理が実現する。さらに、これを入退室システムと連携させることで、オフィスドアの解錠も同時に自動化できる。

 OBCではもうひとつ、さらに進んだ使い方として、従業員による打刻と併用することで“隠れ残業”を発見するという使い方も提案している。「働き方改革」においても強く求められている長時間労働の是正を実現するためのソリューションだ。

 長時間労働が常態化している職場ではしばしば、残業の発覚を防ぐために、タイムレコーダーで退勤の打刻をしておいてからさらに残業をするという不正行為がまかり通っている。この勤怠管理ソリューションを導入することで、従業員自身が申請(打刻)した出勤/退勤時刻と、顔認証による実際の出社/退社時刻に「乖離(かいり)」がないかどうかをチェックできるようになり、長時間労働の抑制や早期発見につながる。

 「『働き方改革』の中で、よりしっかりと勤怠管理を行いたいという企業ニーズが出てきています。そこでOBCの勤怠管理システムでは、従来から連携してきた紙(タイムカード)やIDカードだけでなく『顔』とも連携するようにしたのです」(OBC 西氏)

OBC「勤怠管理サービス」とNEC顔認証システムの連携ソリューション概要

 またOBCの石倉氏は、顔認証による勤怠管理はさまざまな現場で活用しやすいことを説明した。たとえばある食品加工卸業の工場では、衛生上の理由からドアの解錠にIDカードを使えないため、代わりにNECの顔認証システムの利用を検討中だという。そこに今回のソリューションを組み合わせることで、顔認証データを勤怠管理データとしても活用できる。またある建設業では、建設現場における作業員の入退出管理や在場管理とあわせて同ソリューションを検討中だ。建設現場は人の出入りが多いため、顔認証システムで不審者の侵入を防止し、さらにそのデータを作業員の勤怠時間管理として有効活用することが可能になる。

 「このソリューションは、これまで従来型のタイムレコーダーを利用していたお客様が新規導入されるケースが多いですね。『働き方改革』と労働法制の整備に伴って、単にタイムレコーダーのデータで勤怠管理をするだけでは不十分になってきているのだと思います。(上述した活用例のような)多用途のソリューションとしての導入が増えてくると思います」(OBC 西氏)

カメラ付きタブレット端末からでも利用できるクラウド型ソリューションであり、建設現場の事務所などタイムレコーダーを導入しにくい現場にも適している

 西氏、石倉氏は、今後の展開アイデアとして、たとえば顔画像から従業員の健康状態を分析してOBCの「ストレスチェックサービス」と連携する健康経営ソリューション、顔認証技術を使って来店者のセグメント分析を行い、連携させた小売業向け販売管理システム「OBC商奉行」にデータを追加するソリューションなどが考えられると語った。

 「今回のソリューションはOBCとNEC、それに両社の技術に長けている三和コンピュータの3社で開発しました。さらにコミュニティとしての動きの中で、NECの関連パートナーやグループ会社にもアプローチが可能になり、ソリューションを“広める”部分も一緒にできたと考えています」(OBC 西氏)

NECが「AI・IoTビジネス共創コミュニティ」に注力する理由とは

 ここまで見てきたとおり、パートナー各社はソリューション開発プログラムを通じて、自社の持つ強みを生かしながら短期間で顔認証ソリューションの開発を進めている。各社とも一様に「NECとの協業がなければこのソリューションは実現しなかった」と語っていたのが印象的だ。

 顔認証のパートナープログラムにおいては、実際のソリューション開発(システム連携)段階で、NECからより具体的な開発/検証支援が行われている。フルタイムシステムの事例のように、市場特有のニーズに合わせ、パートナー側の求めに応じてNEC側で追加開発を行うケースもある。

「AI・IoTビジネス共創コミュニティ」。NECのAI・IoT技術を掛け合わせたソリューション開発/販売を支援する多様なプログラムを展開中だ

 AI・IoTビジネス共創コミュニティ(以下、共創コミュニティ)では、パートナーであるソフトウェア/ハードウェアベンダーやSIベンダーのソリューション開発を支援するプログラムを展開している。開発支援のための問い合わせ窓口を設置するほか、パートナーに対する技術トレーニングも提供中だ。AIソリューションパートナーに対しては、NECの「RAPID機械学習」を活用するためのテクニカルキャンプがすでに3回、また顔認証ソリューションパートナーに対しては、NECの「顔認証技術」を活用するための技術トレーニングがすでに10回以上開催されている。

 加えて、ソリューション開発における技術面での支援だけでなく、ソリューション販売のための販路開拓やプロモーションの場(今回の展示会もそのひとつだ)も提供している。開発したソリューションは、パートナー自身が直接販売するだけでなく、NECからの販売やNECの販売パートナーを通じた全国販売も検討することができる。プロモーション面では、共同でのプレスリリースやセミナー/展示会出展などが行われる。

 このように、NECが共創コミュニティへの取り組みに注力しているのは、パートナーの持つ業種、業態ノウハウと掛け合わせてソリューション化することで、NECが持つIoT(顔認証)やAI(ディープラーニング等)などの技術力を幅広い領域に展開できるからだ。パートナー単独でも、NEC単独でも生み出せないソリューションを“共創”し、それを通じて新たなビジネス領域も“共創”していく。これがNECの考えだ。

 顔認証のソリューション開発プログラムを統括する、NEC パートナーズプラットフォーム事業部 パートナーズISVビジネスセンター長の青野雅明氏は、「パートナーとNECというつながりだけでなく、パートナーとパートナーが“横でつながる”ことで、さらに面白いソリューションが生まれてくるだろう」と語る。実際に、パートナーどうしが協業について話し合う場面もすでに出てきているという。

 立ち上げからおよそ10カ月で、共創コミュニティへの加入パートナーはすでに80社を超え、急速に成長している。また今後は、AIで共創したソリューションも含めた展示会を開催する予定だ。これからAIやIoTのソリューションビジネスを考えるISVやSIベンダーであれば、コミュニティへの参加を真剣に検討してみてはいかがだろうか。

(提供:NEC)

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