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テレワークの普及を背景に一般企業への浸透を図る、2018年度の事業戦略説明会を開催

アカマイ「クラウドネットワーキング事業を“第4の柱”に育てる」

2018年02月16日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 アカマイ・テクノロジーズは2018年2月15日、2018年度(2018年1月~12月期)の事業戦略説明会を開催した。2018年は、同社ビジネスにおける“第4の柱”として、新たにクラウドネットワーキング事業を開始し、事業拡大に注力する。

これまで展開してきた「ウェブパフォーマンス」「クラウドセキュリティ」「メディアデリバリー」に加え、今年は“第4の柱”として「クラウドネットワーキング」事業に注力していく

事業戦略説明会に出席した、アカマイ・テクノロジーズ日本法人 職務執行者社長の徳永信二氏

2017年度は“第3の柱”クラウドセキュリティ事業が大きく伸長

 アカマイでは、事業ビジョンとして「高速性、安定性、安全性の視点で、インターネットを{ビジネスクラス}へ変革すること」を掲げており、このビジョンに基づいて着実にビジネスの“柱”を育ててきている。

 徳永氏は、日本法人の2017年度売上高が前年度比24%増の成長を遂げ、日本における顧客数は561社になったことを報告した。この売上高は、2013年度の「2.35倍」にあたるもので、グローバル全社売上の10%に迫る規模になっているという。特に、クラウドセキュリティ事業の成長が顕著であり、同事業の売上構成比は2013年度の2%から、2017年度には21%にまで伸びている。

 「2013年度は『ウェブパフォーマンス』と『メディアデリバリー』の2本柱だったものが、2017年度には『クラウドセキュリティ』が新たな柱に成長してきた」(徳永氏)

2013~2017年度のアカマイ日本法人 売上高/顧客数推移

2013年度と2017年度の事業別の売上シェア比較。クラウドセキュリティが伸長

「企業のセキュリティ境界をクラウドまで拡張する」新サービス群

 これに加えて、2018年度には「新たに『クラウドネットワーキング』事業を開始し、4つめの事業の柱に育てたい」と、徳永氏は語った。この新たな事業については、同社 Enterprise Solution Product シニア・エンタープライズ・ソリューション・エンジニアの田中愁子氏が説明した。

 クラウドネットワーキング事業は、アカマイの持つ「Akamai Intelligent Platform」を活用し、エンタープライズ企業のネットワークに対してリモートアクセスとセキュリティのサービスを提供するものだ。

 田中氏は、これまでのアカマイ事業がWebサービスなど特定領域の企業を対象にしていたのに対し、クラウドネットワーキング事業では「その枠を超え、すべての企業を対象にするものになる」と説明した。「企業のセキュリティ境界を社内LANからクラウドへと広げ、新しいセキュリティモデルを提供する」(田中氏)。

 具体的には、クラウド/データセンターに配置された業務アプリケーションへの安全なリモートアクセス手段を提供するインバウンド制御の「Enterprise Application Access(EAA)」と、標的型攻撃に対抗するアウトバウンド制御の「Enterprise Threat Protector(ETP)」という2サービスを新たにリリースする。EAAは統合ID管理や二要素認証、WAFなどの機能を、またETPはDNS/IPレピュテーションやWebフィルタリング、ペイロード解析などの機能を提供する。

新サービス「Enterprise Application Access(EAA)」と「Enterprise Threat Protector(ETP)」の概要

 これらの新サービスについて、徳永氏は「昨年から営業活動を開始しているが、テレワークの進展などに伴い、いままでにない手応えがある」と語った。すでに金融業のマネックスグループがEAAとETPを導入しており、「ユーザー自身が簡単に導入、運用できる点が特徴」(田中氏)だという。

マネックスグループにおけるEAA導入事例。安全なリモートアクセスやシングルサインオンなどの環境を実現

同じくETP導入事例。不正なアウトバウンドトラフィックをクラウド境界で検知/防御

既存の3事業でもそれぞれサービス群を強化へ

 そのほか3つの事業についても徳永氏と各事業担当が登壇し、それぞれの事業戦略を説明した。

 ウェブパフォーマンス事業については、モバイルコマースやモバイルアプリの利用比率が高い一方で、サービス事業者側でのCDO(最高デジタル責任者)設置が遅れている日本市場の問題を指摘。同社 Web Performance Product シニア・プロダクト・マネージャーの伊東英輝氏は、「CDOにとって最も重要なデジタルパフォーマンスマネジメントに、さらに注力していく」と語った。

 同事業では、ウェブパフォーマンスのモニタリングと分析を通じて、ユーザー体験(UX)やビジネスへ与える影響を具体的に示す「mPulse」を提供している。これは、たとえば「重要度の高いページの表示を0.5秒早めると、閲覧数が平均0.32ページ増え、その結果売上が1283万円増加する」といったシミュレーションができる製品だ。

 そのほかにも、「Ion」ではリアルユーザーのデータに基づく最適化を可能にする機械学習機能や、HTTP/2利用による自動高速化機能を提供するほか、「Image Manager」においても機能強化を図る。加えて伊東氏は、オペレーション簡素化へのニーズが高まっていることから、2018年度にはアカマイをDevOpsパイプラインに統合するとともに、「API Gateway」「Cloud Test」といったサービスにも注力していくと語った。

「mPulse」導入企業のモノタロウでは、リアルタイムに全数データを取得/分析することで、サイト改善に成功しているという

オペレーション簡素化の一環として、DevOpsパイプラインにアカマイを統合していく方針

 メディアデリバリー事業では、日本市場における動画配信サービス契約者数の増加、動画画質の4K/8K化といった動きを背景として、圧倒的な配信キャパシティを持つアカマイへの需要がますます高まると見ているという。同社 Media Product プロダクト・マネージャーの伊藤崇氏は、「インターネット放送の拡大に向けて、2018年度は監視および運用サポートを拡大する」と述べた。そのほか、低遅延ライブ配信におけるワークフロー機能の強化、動画広告市場拡大に合わせたプログラマティック広告のサポートを進めるとした。

 導入事例として、Abema TVがアカマイの「Broadcast Operation Control Center(BOCC)」を導入し、ミッションクリティカルな放送を支えていることを紹介した。

安定したインターネット放送を実現するため、通信経路の監視や制御を行う「Broadcast Operation Control Center(BOCC)」

 クラウドセキュリティ事業においては、「ビッグデータの活用を加速するとともに、マネージドセキュリティサービスの提供の範囲を広げたい」(徳永社長)としている。同社 Cloud Security Product プロダクト・マネージャーのバンダリ・ハレンドラ氏は、2018年度の方針として「中堅企業および中規模Webサイトを通じた情報漏洩などへの対策、ボットによるリスト型攻撃への対応、各業界のオープンAPI保護を重視したい」と語った。

 具体的なセキュリティサービスとして、ハレンドラ氏は、中堅企業でも簡単かつ低コストで運用できるWAF/DDoS防御サービスの「Web Application Protector」、機械学習による高精度なふるまい分析機能を備えるボット検知の「Bot Manager Premier」、ホワイトリスト型/ブラックリスト型/DDoS緩和という3種類の対策が簡単にできる「API Security」を紹介し、これらを組み合わせることで、ほかにはない多層防御が実現すると述べた。

アカマイが提供するクラウドセキュリティサービス群を組み合わせ、多層防御が実現する

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