すっかり苦しくなったTwitterとその活路
個人的には2006年に登場したTwitterの方が、FacebookやInstagram、Snapchatといった好調なSNSよりも「生きる上で重要なツール」だという認識を、2018年になっても堅持しています。ただし、ビジネスとしてみれば、Twitterは非常に厳しい立場に立たされていますし、直接・間接の原因として、Twitterそのものには多くの問題があります。
Twitterはその他のツールよりもはるかに匿名性が高く、そうしたアカウントは大量に増殖しています。情報の拡散速度も素早いことから、2017年から尾を引くフェイクニュース問題への脆弱性は最も顕著と言えます。また、他のツール以上に議論に向かないメディアであることから、日本に限らずユーザーは何らかのトラブルを抱えながら、あるいはそうしたトラブルを常に目にしながらTwitterを使っていくことになります。
一方で、個人や企業だけでなく、サーバーに置かれたプログラム、いわゆるボットも平等に1つずつのアカウントが持てて、平等にフォロワーを獲得することができる場でもあります。
すでに個人より影響力のあるボットも存在しているでしょうし、日本では地震情報などを自動的に投稿するボットにも人気が集まっています。この点は、人を介した投稿が重視されるその他のサービスとの相違点であり、未来に近い存在と言えるかもしれません。
その状況は面白くもありますが、ボットを活用したハッキングで混乱を作り出すこともできますし、さまざまな問題がTwitterで先に発生していくことになるでしょう。Twitterやユーザーコミュニティーが、どれだけその状況に耐えていくことができるのか。最も注目すべき、未来という目で見ていてきたい対象がTwitterという考えを堅持したくなる理由と言えます。
ということで、2018年はもう少し、Twitterへの投稿を頑張ろうと思いました。少しでも貴重なコミュニティーの役に立てるように。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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