日本の大手キャリアやサブブランドから続々とファーウェイのスマホが登場した先週、筆者はドイツとオーストリアを訪れていました。
特にドコモから発売される「HUAWEI P20 Pro」は、欧州でも人気。ウィーンの駅や空港で、大きな広告が目立っていました。
ミドルレンジ機の名前が混沌としてきた
オーストリアにおいても、キャリア店舗や家電量販店で大きな存在感を示しているのがサムスン電子です。スマホやPCの売り場では、アップルも日本と同じように独自の空間を持っています。
これに対してファーウェイも、少しずつ専用の売り場を確保しつつあり、複数の展示機や純正アクセサリーが並ぶ場所が増えています。
ところで、欧州を旅していて気付いたのが、スマホの製品名が国によって異なるという点です。これはいまに始まった話ではないものの、ファーウェイのミドルレンジからローエンドの端末は、名前に混乱が生じています。
たとえばオーストリアの「P9 lite 2017」は、ドイツでは「P8 lite 2017」という名前で売られています。P9とP8ではだいぶ違うように思えますが、スペックは同じものです。この端末は日本では「nova lite」として知られています。
いまウィーンでセール中の「P9 lite mini」は、ドイツでは「Y6 Pro 2017」です。名前からはP9 liteの小型版を想像してしまいますが、マーケティング上の都合で付けられた名前とみられることから、深い意味はなさそうです。
その背景として、欧州では国ごとにキャリアや販売店が微妙に異なるため、ファーウェイも各国の事情に合わせたマーケティングを展開します。そのため、投入時期やブランド戦略に違いが生まれ、製品名を変えることで整合性を取っているようです。
端末ラインの厚さに注目
国によって製品名が違うと混乱が起きそうにも見えます。一方、ファーウェイは各国ごとに製品展開を細かく最適化することで需要に応えているともいえるでしょう。
そのラインアップの厚さは、日本で発表された2018年夏モデルにも現れています。ソフトバンクがMate 10 Proとnova lite 2を発表したかと思えば、auはP20 lite、ドコモはP20 Proを発表。UQ mobileとY!mobileも、P20 liteの取り扱いで並びました。
これまでファーウェイは国内のSIMフリー市場に多様な端末を持ち込んできました。一方、キャリアは季節ごとにさまざまなユーザーに向けた端末を取り揃える必要性に駆られています。
ファーウェイ自身も認めるように、ブランド力という点では課題は多いものの、キャリアの要求にタイムリーに端末を提案できれば、国内市場でのシェア拡大は間違いないでしょう。他のメーカーにとっては、そろそろ本格的なファーウェイ対抗策が必要になるはずです。
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