全米で29.97ドル(約3400円)で発売されたKent Displaysの初代「Boogie Board」(電子メモパッド)をアメリカ合衆国から個人輸入してからすでに足掛け8年くらいが経過した。
その間、日本にも正式な販売代理店ができたり、商品もさまざまなセグメントに向けて筆記面サイズのバリエーションが増加し、また技術改善や新機能の追加などがたび重なって現在に至っている。
また、並行してOEM商品かと思われる類似した他社製品の発売なども重なり、米国ではかなりの出荷総量だと思われる。
残念ながら法人市場での拡大が低調な日本国内では、いまだにマニアックなガジェットのイメージが強い商品のようだ。
今回の新しいBoogie Boardは商品名自体を従来のように「Boogie Boardモデル○△□」ではなく、商品ニックネームである「Blackboard」(ブラックボード)を大きく打ち出した。
Kent Displaysとしては、すでに認知度のあるBoogie Boardブランドを黒子にしてリリースした久々に気合の入った商品だ。
半透明液晶を採用した「Blackboard」
今回発売が開始されたBlackboardの特徴は「Semi-Transparent Requid Crystal Paper」(半透明な液晶ペーパー)の採用だ。ほぼ同時に発売されたキッズ用の2つの商品も同じ半透過型液晶ペーパーを採用している。
パッケージを開けると、本体と「テンプレート」と呼ばれるノートイメージの黒いプラスティック素材の下敷きが2枚。そして取扱いの注意書きや使用条件などが記載された説明書の3つが出てくる。
筆者は現在まで、ほぼ発売されたすべてのBoogie Boardを持っているが、それらと一同に並べて比較すれば今回のBlackboardのサイズ感はよく伝わるだろう。
実際のサイズは幅8.5インチ(215.9mm)、高さ11インチ(279.4mm)で、筆者の持っている最大(20インチ)クラスのBoogie Boardの約半分、米国で一般的に販売されているレターサイズのリーガルパッドがすっぽりと入る手頃な大きさだ。
従来のBoogie Boardのほとんどがブラックの筆記面だったのに対して、Blackboardは半透過型の黒いペーパーを採用している。
下敷きとしてテンプレート(フォーマットシート)を敷くことで、4種類のノートフォーマットがユーザーから透けて見えるように考えられている。これが今回のBlackboardの最大の特徴だ。
標準で付属するテンプレートは4つで、2枚の黒いプラスチックシートの両面に印刷されている。
テンプレートは「LINE」(横罫)、「Dot Grid」(ドット方眼)、「Plain」(無地の黒)、「Planner」(スケジュールシート)の4つだ。筆記目的に合わせてベストなテンプレートを選択して装着すればいいだろう。
装着方法は極めて簡単だ。Blackboardの背面両側面にあるガイドレールに沿って上から滑り込ませるだけだ。駆動方式は最近の新しいBoogie Boardと同様でユーザーが交換できるボタン電池(CR2032)方式だ。
極めて薄いBlackboardにお好みのテンプレートを装着してテーブルやデスク上で筆記する時も、背面の4辺に取り付けられたスリップ防止ラバーが極めて有効に働いて筆記の安定感は抜群だ。
同じような液晶紙を使用している過去のモデルでも、筆跡の輝度や色味は多少変化してきている。初代のモデルでは白に近い色だったが、最近のものは多少蛍光系の緑色に近い発色で人の目に優しく、かつコントラストがよく、スマホカメラなどによる撮影にも十分耐えられる。
付属のテンプレートを使用しなくても、半透過型のペーパーを使うことで、下に敷いたイラストや地図などのイメージを上から見て比較的簡単になぞることができる。実際にやってみるとわかるが、これはなかなか楽しく価値のある仕組みだ。
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