では、部品不足は一体どのぐらい深刻なのか?
もっともiPhone Xについては、コンシューマーの需要の規模以前にそもそも欲しい人は手に入るのかという問題がある。主にFace IDを実現するTrueDepthカメラや基板などの不足が囁かれており、11月3日の発売日に合わせてAppleが出荷できる台数は200〜300万台と見るのが上述のKGI SecuritiesのKuo氏だ。
また、Business Insiderによると、Kuo氏は当初3000万〜3500万台としていた第4四半期のiPhone Xの出荷台数フォーキャストを、2500〜3000万台に下方修正しているようだ(http://www.businessinsider.com/apple-stock-price-iphone-x-impact-production-issues-kgi-securities-2017-10)。
Gartnerは先週発表したPC、タブレット、スマートフォンの出荷動向調査で、iPhone Xの部品不足により第4四半期は消費者の需要を満たすことができないとし、売り上げは2018年に本格化すると見ている。
また、Nikkei Asian Reviewは、iPhoneの製造委託で知られるFoxconnの会長とAppleのCOOが会合を持つこと、部品問題は解決されていないことなどを報じている(https://asia.nikkei.com/Business/AC/Apple-Foxconn-executives-to-meet-amid-iPhone-X-production-strain)。
これらを見ると、iPhone Xはやはり、手に入りにくい状態でスタートすると見られる。となると、年末商戦への貢献も低くりそうだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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