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業界人の《ことば》から 第266回

使いやすく、低コストなDropbox Businessのたった一つの弱点

2017年10月12日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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年数百万規模のコスト削減も可能

 たとえばファイルサーバーやNASと、Dropboxのサービス利用料を比較しただけのコストメリットには留まらないという。

 「Dropboxには、ファイルを1ヵ所に集約するための時間や、集約されていない最新ファイルを見つけるための時間、外出先からデータアクセスするためのログイン作業時間、社内外にファイル転送に共有するための時間などが削減できるメリットがある。試算をすると、平均2.1%の生産性向上、1ヵ月あたり約3時間の節約ができる。年間では36時間の削減が可能であり、年間数万円のコスト削減効果が出ることになる。これを全社員数で使えば、年間数百万円規模の削減が可能な企業もある」(Dropbox Japan ソリューションアーキテクトの井口和弘氏)とする。

 また「Dropbox Businessは事実上、容量を無制限で利用できるほか、セキュリティーの向上というメリットもあり、これもコスト効果に換算できる。そして老朽化にともなう、5年ごとのハードウェアの更新といったことも不要である。さらにスマートシンクの機能を利用すれば、PCのハードドライブの使用容量を節約することができる。ストレージ容量の小さい最新のPCに買い換えることで、PCのコストを削減できるというメリットも生まれる」とする。

 だがこうしたメリットが訴求しきれていないと、五十嵐社長は反省する。「これまでは口べたであり、静かすぎた。Dropboxは単なるクラウドストレージサービスというだけでなく、様々な機能を提供し、それによって価値を創造していることを理解してもらいたい。Dropboxを利用することよりも、なにかをやりたいときのイネーブラーとしてDropboxを提案していきたい。ビジネス用途では、そうした提案が不可欠になる」と語る。

 Dropbox Businessによって、Dropboxの新たな提案が始まっている。

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