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DTMを自在に使いこなす桃井はること、ショルキーの深い関係

2017年10月10日 18時00分更新

文● 編集● 貝塚/ASCII.jp

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 「元祖 秋葉の女王」とのキャッチで語られることの多いシンガー・ソングライターの桃井はるこ氏。近年も大きな支持を集めて続け、11月にはワンマンライブ「桃井はるこワンマンライブ 2017 〜実りの秋祭り!〜 」を開催することも決定している。

DTMと桃井はるこの関係性を読み解く

 そんな桃井氏は、作曲時にはDTMを使いこなして、自身の中から生まれる歌詞やメロディーを楽曲という形に落とし込んでいるという。

 過去には月刊ASCIIで連載を持っていたこともあり、アキバカルチャー、インターネット文化、デジタルガジェットへの造詣の深さで語られる彼女だが、今回は「DTMと桃井はるこ」「音楽と桃井はるこ」という視点でお話をうかがった。

ーーDAWソフトを長年作曲に活用していると聞きました。

 「はじめて触ったのは、2005年か2006年の頃ですね。

 その頃、以前していた『UNDER17』というユニットが解散したんです。ユニット時代はメンバーの小池雅也さんが制作の環境を持っていたので、マニピュレーターとしての作業は任せていたんですね。

 でも、ソロになることになって、自分でやらなきゃいけないということになり。それがきっかけです」

ーーいまよりDTMも浸透していない時代ですよね。

 「そうですね、よく覚えているのが、その頃って、いまよりもMac全盛だったんです。だから音源も『WAVじゃなくAIFFの方がかっこいい』『AIFFじゃないと素人だ』という風潮があったような気がします。私はCubaseを使っているんですが、その頃は、Macでほかの音楽制作ソフトを使っている人が多かったように思いますね。

 そんな流れがあったので、私も、頑張ってAIFFで書き出していました(笑)。いまではWindows環境が浸透しているので、わからないものだなって思います。フォーマットといえば、いまでもひとつこだわっていることがあって。

 仮歌を自分の家で録って送るときに、WAVじゃなく、音質を落としたMP3で送っているんです。昔、WAVでデモの仮歌を送ったら、本チャンとして使われそうになったことがあって。なので、あえてものすごく音質の悪いMP3にしているんです(笑)。

 仮の音源が入ってしまうことは意外とあるんですよね。絶対にそういう間違いが起きないように、音質に『仮だよ』って語らせてます」

デモはあえて作り込み過ぎない

ーー仮歌は自宅で録音するんですか。

 「そうです」

ーー録音環境もお持ちなんですね。

 「マイクは、RODEの安いやつですけどね。あと、友達からもらった青いマイクも使ってるんですけど……なんだっけな、それは名前はわからないです」

ーーそうすると、デモ段階ではある程度かたちになっていることが多いですか。

 「それは、あえて最低限に、作り込まないようにしているんです。変に作り込むと、アレンジャーの方が『ここは活かした方がいいのかな?』と悩んでしまう可能性があるんですよね。

 信頼できるアレンジャーさんに任せて、アレンジャーさんの色を入れてほしいと思っているので、デモ段階ではループの上に歌がのっているようなものが多いですね」

ーー原案に近いものでしょうか。

 「私の作るデモは、スケッチですね。でも、私は歌詞を一番大事にしているので、歌詞とメロディーはわかるようにして、お渡ししています。

 本当の原案は、スマートフォンのボイスメモで録っていることが多いですね。最近は。以前はボイスレコーダーを持ち歩くことが多かったのですが、それだと、結構忘れたりしちゃう。スマートフォンなら絶対に忘れないので。

 でも面白いもので、本当にいい曲ができたときには、録音しなくても覚えているので、ボイスメモがいらなかったりするんですけどね。

 そのアイディアの段階でメロディーのかたちを作ってから、Cubaseに作業を移して、BPMやコードを決めています」

ーー2006年ということは、Cubaseを10年以上お使いになっているということですよね。Cubase一筋ですか。

 「実は、ほかのDAWソフトも使ってみたことがあるんです。でもやっぱり、私にとっては感覚的に操作できるのがCubaseなんですよね。

 BPMに音源を合わせたり、引き伸ばしたりすることもカンタンにできるし、とにかくCubaseって、なんでも直感的に動かせるんです」

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