使い道はないけどやっぱり欲しいのです
半年ほど前に沖縄に行き、念願の米軍払い下げ店巡りをしたワタシ。その時にせっかくお店で見つけたのに購入を断念したモノがあります。それは、車などに被せて周囲から発見しにくくするためのネット――カモフラージュネット。ハンヴィーの装備品のひとつであり、以前から超欲しかったアイテムなのです。
カモフラージュネットは専用のキャリーバッグに入れられて、スチール棚の上に置かれていました。キャリーバッグには48LBSの文字。つまり48ポンド、約21.8kgあるということです。重いような軽いような微妙なところですが、棚から下ろして中を見てみようと引っ張ってみたものの、ビクともしませんでした。やっぱ重いです。全然ムリ。
脚立を借りれば下ろせたかもしれないですが、腰をやっちゃう感が……。それに帰りに乗る飛行機はエコノミークラスで、無料で預けられる荷物の重量制限は20kgまで。買ったとしても重量超過手数料がかかってしまいます。
そもそもカモフラージュネットなんて買ったところで何から隠すんだっていう話もあるし、住宅街では余計に目立つという逆効果しかないんですけど、米軍のハンヴィーの写真を見ると荷台に置かれていたり後ろに括り付けられていたりしていて、使わないにしてもディテールアップグッズとしてぜひ欲しい。重さに負けて買いませんでしたが、諦めきれない感じです。
そんなある日、米軍払い下げ店の通販サイトをツラツラと見ていたら、なんと売りに出てるじゃないですか。しかも箱入りの新品とのこと。もう我慢できません。ポチっと購入です。送料がわかるのが注文後というのがちょっと気になったんですが、重量超過料金より安く済みました。ラッキー!
というわけで届いたのがこの箱。ありがちですが、店で見るよりはるかにデカく感じます。
レーダーからも身を隠せます
外箱の大きさはおよそ縦63cm×横114cm×高さ20cmほど。玄関で開封するには大きすぎるっていうか人が通れなくなっちゃうので、外で開けます。
箱入りと書かれていたとおり、外箱は軍に納品された時の箱そのままでした。横にはラベルもしっかり残っています。物品管理番号のNSNは1080-01-457-2956。名称はCAMOUFLAGE SCREENING SYSTEM-WOODLAND RADAR SCATTERING TYPE IV。新型と呼ばれる1990年代のカモフラージュネットです。
名称に入っているRADAR SCATTERINGは直訳するとレーダー散乱。見た目だけでなくレーダーからも身を隠せるようになっています。
名称のその下の19397はメーカーを表わすCAGEコードだろうと思って調べてみたらビンゴ! テキサス州オースティンにあるBAEシステムズ製でした。元々はイギリスの会社で、世界的規模の軍事・宇宙関連企業です。
名称にTYPE IVと入っているということはI~IIIもあるわけですが、それぞれ用途が異なります。IやIIは航空機用ということで当然デカくて重くなります。
- TYPE I 攻撃・観測ヘリOH-58Dカイオワ・ウォリアと固定翼機用。6~94GHzのレーダー波を散乱
- TYPE II 攻撃ヘリAH-64Dアパッチ・ロングボウと汎用ヘリUH-60ブラックホーク、固定翼機用。6~94GHzのレーダー波を散乱
- TYPE III 汎用。レーダー散乱無し
- TYPE IV 汎用。6~94GHzのレーダー波を散乱
それぞれClassがあって、Class1はWoodland、2はDesert、3はSnow。それぞれグリーン系、茶系、白系で、状況に応じて使い分けます。購入したのはTYPE IVのClass1。汎用レーダー拡散ありのグリーン系です。
箱を開けてみたらビニール袋に入った状態で、未開封でした。こうなると出すのがもったいなく感じてしまいますが、しまっておいても仕方ないので出しちゃいます。そして写真を撮っていたんですが、あれ? 48じゃなくて52LBSになってる……。
52ポンドは約23.6kg。約1.8kg重いです。沖縄で見たやつはNSNがわからないんですが、生産年の違いなのかもしれません。キャリーバッグの素材はゴワゴワとした固めナイロンみたいなやつ。いかにも丈夫そうです。
2本のベルトを外して3つのベルクロをベリベリと剥がすと、次は横向きの2本のベルトで留められていました。
またベルトを外して左右に開くと、裏返しに折り畳まれたネットが出てきました。が、さらに2本のベルトでキャリーバッグに固定されています。なぜこんなに厳重なのかわかりませんが、このベルトを外すとようやくネットを取り出せます。
ネットを持ち上げてみると、間に挟まっている物が出てきました。REPAIR KIT FOR CAMOUFLAGE SCREENING SYSTEM WOODLAND AND RADAR SCATTERING TYPE IV――補修用キットのようです。
カモフラージュネットの表面は、波形の切れ目が入れられた迷彩柄の生地。それが格子状のメッシュに貼り付けられています。迷彩柄の生地には穴がたくさんあけられていました。昔買った旧型とはまったく違います。
この穴は軽量化のためなのか、乾きを早くするためなのか。もしかしたらこの穴にレーダー散乱効果があるのかもしれません。
旧型は1.5m四方ほどの端切れ品。テニスのネットみたいに目の大きな網に、細切りにされた生地がアルミリングで取り付けられています。こちらの生地は、細い繊維で編まれた布の両面に何かをコーティングしたような素材。いかにも古そうですよね。それに比べて新型はかなり改良が進んでいるように感じられます。
せっかく綺麗に畳まれているので、このまま元に戻してしまい込もうかとも思ったんですが、旧型と見比べていたらどのくらいのカモフラージュ効果があるのかが気になってしまいました。次回、ちょっと試してみようと思います。
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