IFA 2017レポート 第22回
注目ポイントは4Kよりも無線LAN高速化!
THETA愛好者がIFAでチェック! 最新モデル「THETA V」に買い換えたいポイントは無線と録音!
2017年09月05日 16時00分更新
リコーはドイツ・ベルリンで開催中のIFA 2017にて、360度の全天周写真&動画が撮影できるデジタルカメラの最新モデル「RICOH THETA V」を同社のブースにて展示しています。
筆者はこれまで発売されたコンシューマーモデルのTHETAはすべて購入しているほどの愛好家。現在も「THETA S」を使用していますが、最新モデルのTHETA Vは、今すぐにでも買い換えたいと思うほどの仕上がりになっています。
無線LANが5GHzに対応! 速度もアップ!!
いちばん注目しているポイントは、Wi-Fiが5GHzに対応したこと。普段使う分には2.4GHzだけでも問題ないのですが、大きな発表会など人が多く、大量のWi-Fi電波が飛んでいる状況だと、THETAとスマートフォンの連携ができずにその場でアップロードできないというケースがよくありました。これが5GHzも使えるようになると、かなり改善されます。
また、無線LANモジュールの変更で転送速度も速くなっています。画質が4Kにアップしているので、そもそものデータ量が多くなっているものの、転送にかかる時間は速くなっているほどです。
しかも今後ファームウェアのアップデートで、スティッチ(写真を合成して360度にする作業)をTHETA V本体でできるようになると、さらに転送にかかる時間は速くなるとのこと。動画は特に転送時間待ちでイライラすることがあったので、期待したいポイントです。
4つのマイクで空間録音が可能に!
もうひとつ大きな注目ポイントが、録音機能のアップ。従来機は本体上部に2chのマイクがありステレオマイク録音でしたが、THETA Vは本体側面にもマイクが取り付けられ、合計4つのマイクで360度空間音声記録にも対応しています。
この音声記録機能により、撮影した360度動画をVR対応のHMDなどで見たときに、視点に合わせて音の定位も変化するのでよりリアリティーが増すわけです。
さらに本体底面にはマイク端子を装備しており、音声を別のマイクなどで入力も可能になりました。これがかなりウレシイ。
実は、従来のTHETAは大きな音に弱く、ライブハウスなどで楽器の演奏を録画すると音が割れて使えないレベル。マイクとレンズの位置からマイク部分に風防などを取り付けるわけにもいかず、不評なポイントになっていました。
それがTHETA Vなら別途マイクを用意して、音割れしないように調整して入力できます。しかも別売で「3D マイクロフォン TA-1」が用意されているのも◎。TA-1には風防が取り付けられるので、屋外や移動しながらの撮影でも耳障りな風切り音が防げそうです。
Wi-Fi関連とマイク性能という、個人的にTHETAを使っていて不便だなと思っていた2つのポイントがキッチリと改良されているのがうれしいポイント。
もちろん解像度も4Kにアップしており画像処理などで、高画質化も期待できますが、このあたりは製品版を購入してチェックしないと何とも言えないところ。
ですが、リコーのTHETAは360度全天周写真・動画には一日の長があり、スティッチの精度などには定評があるので期待できます。
本体のOSがAndroidベースになっているのも興味深いところ。カメラ自身にインテリジェンスなOSを採用することで、スティッチを本体でするだけでなく、ワイヤレスディスプレーに360度映像を転送したり、クライアントモードでWi-Fiを接続したりといった機能が増えています。
展示ブースで確認したところ、Androidベースとしたことでサードパーティーアプリなどの開発も可能になるとのこと。オリジナルの生配信アプリの登場など、使い方の可能性が広がる点もワクワクします。日本での発売は9月下旬とのことで、今回のTHETA Vもいち早く手に入れたいですね!
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