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コミュニティ貢献とこだわりサポートで得たデベロッパーとのきずな

DevRelを重視するSendGrid、日本での3年半の活動を振り返る

2017年08月16日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月28日に開催された「Developer Summit 2017 Summer」(主催:翔泳社)のランチセッションで登壇した構造計画研究所の中井勘介氏。同社が手がけるSendGridの国内でのサービス展開とデベロッパーリレーション(DevRel)について語った。

開発者とのコミュニケーションを重視するSendGrid

 SendGridはクラウドベースのメール配信サービスで、グローバルでの配信数は1ヶ月あたり370億通にのぼる。当初はWebサービスのトランザクションメールを前提に機能強化を進めてきたが、現在はメールを媒体にしたエンゲージプラットフォームとして成長を続けているという。

 「メールの配信で面倒なことをすべてケアするインフラ」としてスタートしたSendGridは、APIでの利用を前提としたデベロッパー指向の強いサービス。3人の創業者もすべて開発者で、今もコードを書いているという。中井氏は、「このうち一人は3回スタートアップを創業して、3回ともメールで痛い目を見てきた。お客様が増えてきたときにメールを送ろうとしても、うまくスケールできず、ストップしていた。これは逆にサービス化できそうだということで、SendGridを創業した」と語る。

構造計画研究所の中井勘介氏

 こうした経緯があるため、開発者とのコミュニケーション、いわゆるデベロッパーリレーション(DevRel)をきわめて重視しているという。エバンジェリストがさまざまな勉強会に参加したり、オンラインコミュニティでサポートしたり、ドキュメントもOSSで公開してきた。ハッカソン等にも参加し、APIを提供するSendGridとして立場を超え、開発者をサポートし続けてきたことで、開発者に対するブランドを向上させてきた。「デベロッパーに楽をしてもらいたい。楽をしてもらって、価値のあるビジネスに注力してもらいたいということで、さまざまな活動をしてきた」(中井氏)。

コミュニティ、コード、コンテンツを軸にしたDevRelで得たモノ

 そんなSendGridを3年半前から国内展開しているのが、中井氏の所属する構造計画研究所になる。構造計画研究所では、海外製のSendGridを安心して利用できるよう、日本語のドキュメントやサポート、請求書払いでの日本円での決済を提供してきた。また、米国のSendGridと同じく、日本でもコミュニティ(Community)、コード(Code)、コンテンツ(Contents)の3つのCを軸にDevRel活動を重視してきたという。

 1つめのコミュニティに関しては、中井氏自体がJAWS-UGをはじめとしたさまざまなコミュニティやハッカソンに参加し、登壇だけではなく、運営にまで貢献してきた。地道な活動ではあったが、情報発信してくれる自社サービスのファンや飲み仲間、利害関係のない仲間を得ることができ、最新技術の獲得やビジネスチャンスにもつながったという。加えて中井氏の場合、「一番大きいのはお嫁さん(笑)」ということで、自身の“クラウド婚”にも結びついたのがポイントだ。

コミュニティ活動で得られたもの

 コードに関しては、公式ライブラリを提供したり、サイボウズのkintoneと連携できるプラグインなども開発してきた。また、コンテンツに関しても、日本語のドキュメントやチュートリアル、ユーザー事例のほか、週に2回のブログ執筆は欠かさず行なってきたという。

 とはいえ、こうしたDevRelの活動は目に見えにくく、リターンが計測しにくいのも事実。それを踏まえた上で投資しないと、本来の目的に到達しにくくなる。まずは“Give First”の姿勢で開発者に接していくことが重要だという。

「人とのつながりは何物にも代えがたい」

 最後に中井氏がトピックに挙げたのが、強くこだわってきたサポートだ。同社は全ユーザーに対して無料でサポートを提供してきたが、スピードと品質を両立しつつ、テンプレ対応を極力抑えたホスピタリティの高さに注力してきたという。「ほとんどの回答案を内部でレビューして出している。こうすることで、お客様が聞きたいことを勘違いしていないか、ポイントがずれていないか、こういう情報も付けたほうがいいんじゃないか、といった具合におもてなしの心でサポートを提供してきた」と中井氏はアピールする。

 実際、構造計画研究所が提供するSendGridのサポートはユーザーの評価も高い。デベロッパー界隈でも好意的なフィードバックが得られており、過去にはクラウド型メールサービスに対して批判的だったユーザーとコミュニケーションを密にとった結果、意趣替えさせたこともあった。こうした結果、「スタートアップのSaaS利用はサポート体制で選ぶべき、SendGridのサポートが素晴らしい件というタイトルでブログを書いてもらった」(中井氏)といったミラクルも起こった。3年半の活動の結果、日本でのSendGridユーザーも着実に伸び、現在はユーザー自体がさまざまな勉強会でSendGridについて語ってくれるようになった。

SendGridのサポートが素晴らしい件

 SendGridのようにAPIを提供するSaaSは、直接のユーザーであるデベロッパーに気に入ってもらう必要がある。こうしたデベロッパーにフォーカスしたDevRelやサポートはスケールしにくいし、効果測定も難しいが、やる価値はあるという。中井氏は、「人とのつながりは何物にも代えがたい。同じようなサービスを担当している方であれば、会社にこもってないので、どんどん外に出ていってもらいたい」と語り、セッションを締めた。

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