Vegaのデモを披露
最後にグラフィックスである。今回はGPU全般ということで、説明の力点はクラフィックスというよりはGPGPU、それもAI向けにやや重点が置かれていたのは、昨今のAIブームからすれば仕方ないところか。まずは昨年のPolarisを振り返り、ビジネス的にもPolarisの功績が大きかったことを示した。
その上で、現在は200ドル未満の市場に向けてPolarisを投入しているが、今後はよりマージンの取れる高価格帯に製品を投入するとしている。その武器となるのがRadeon Vegaであるというのはこれまでも紹介されてきた話だ。今回もそのVegaの内部についての細かな紹介はなく、もう少し大きな枠での製品説明だった。
まず最初が機械学習関連。Koduri氏曰く、機械学習(特に学習側)に関してはCPUだけでもGPUだけでもダメで、両方のコンビネーションが重要であり、AMDはその両者を提供する唯一の会社であるとした上で、その両者をつなぐキーとなるソフトウェア環境について説明をした後で、実際にRadeon Instinctを利用した性能比較を行なった。
Radeon Instinctそのものは昨年12月に発表され、PolarisベースのMI6とFijiベースのMI8、それにVegaベースのMI25があることが明らかにされている。今回はそのVegaベースのカードを利用して、DeepBenchを実施した結果を示した。
このデモに使われたカードが、今回発表になったRadeon VEGA Frontier Editionである。このカードがRadeon Instinctと異なるのは、映像出力も可能なことで、プロフェッショナル向けグラフィックスと機械学習その他の両方をカバーする形になる。ちなみに性能はFP32で約13TFlops、FP16で約25TFlopsとされ、16GBのHBM2を搭載するとする。出荷は6月末とされた。
さて今回は個人向けの製品そのものへの言及はなかったが、1つデモとして紹介されたのはHBCCの効用である。HBCCをOnにすると、絶対的なフレームレート(55.8fps vs. 71.6fps)も改善するが、それよりも最小フレームレート(13.7fps vs. 46.5fps)が大幅に改善するのがHBM2をキャッシュとして利用することの強みである、とKoduri氏はアピールした。
ついでにロードマップも紹介しておくと、こちらもCPUと同様に14nm世代でVegaが2製品、7nmでまずNaviが投入され、7nm+を使う製品がさらに予定されているそうだ。この14nm+を使うものは、おそらくVega 2とこれまで呼ばれてきたものであろう。投入時期がいつごろになるのかは現時点では不明である。
ということで、Financial Analyst Dayの内容をかいつまんでお届けした。具体的な製品はおそらく5月末から開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2017で明らかにされるのではないかと思われる。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ -
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 -
第881回
PC
同一周波数で消費電力18%削減! 進化した「Intel 18A-P」はどこが変わったのか? -
第880回
PC
次世代NVLinkの布石か? TSMCの光電融合技術「COUPE」がもたらすAIサーバーの光接続 -
第879回
PC
なぜAIには「光」が必要なのか? NVIDIAが解説するスケールアップネットワークの低遅延・省電力化戦略 -
第878回
PC
もはや銅配線は限界? 3200Gイーサネット実現に立ちはだかる200GT/秒の壁 -
第877回
PC
「不良品ゼロ」と「水冷NG」の狭間で。ルネサスが明かした車載チップレットSoCのリアル -
第876回
PC
このままではメモリーが燃える! HBM4/5世代に向けた電力供給の限界と、Samsungが示すパッケージ協調設計の解 - この連載の一覧へ

