柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第4回
デジタルならではの詳細なアクセス制御を実現
PDFファイルに印刷禁止やコピー不可のセキュリティをかけてみる
2017年04月13日 11時00分更新
本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第4回はPDFファイルに印刷禁止やコピー不可のセキュリティをかけてみる。
資料や見積を取り引き先に渡す際、ファイル形式を何にするかは悩みどころだ。作成したファイルがWordやExcel、PowerPoint形式だと、Officeアプリをインストールしていなければ閲覧できない。逆に、Officeアプリがある場合は、自由に内容の修正が行なえてしまう。その修正後のファイルが出回り、意図しない内容になっていてトラブルになる可能性も考えられる。やはり、PDFファイルに変換して送りたいところだ。
とは言え、PDFもデータとして柔軟に扱うことができるファイル形式なので、Acrobat等を使えば修正したり他のファイル形式に変換したりできる。テキストや画像をコピーして、別のアプリで利用することも可能だ。相手にファイルを渡しているとはいえ、無制限に流出するのは好まないデータだってあるだろう。そんな時は、PDFファイルにセキュリティをかけるとよい。
まずはPDFを作成する時のオプション画面や文書のプロパティ画面でPDFファイルの利用に制限を付けてみよう。まず、PDFファイルの内容を暗号化し、閲覧の際にパスワードを入力させる機能をオンにする。設定したパスワードがなければ、中身を確認できないので安心だ。
印刷させずにPCの画面だけで見てもらいたいなら、印刷を許可しない設定にすればよい。再利用はして欲しくないが、社内確認用などに必要そうなら、低解像度での印刷のみを許可することも可能だ。PDFの変更にも制限をかけられる。一切の変更を許可しない設定から、フォーム入力や注釈を許可する設定まで行なえる。
コンテンツのコピーを禁止するなら、「テキスト、画像、およびその他の内容のコピーを有効にする」のチェックをオフにしておけばいい。画面を読み上げる機能も使わせたくないなら、「スクリーンリーダーデバイスのテキストアクセスを有効にする」のチェックもオフにする。
なお、これらのセキュリティ設定を変更するには、「権限パスワード」が必要になるので設定しておこう。「文書を開くパスワード」とは別に設定しなければならないので注意すること。セキュリティを考え、同じパスワードにしないようにしよう。
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