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「Sun Ray」と同様のシンプルな使い勝手を実現、さらにクラウド/DaaSにも対応

アズム、ICカード認証+PCoIPの仮想デスクトップソリューション

2017年02月27日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 アズムは2月24日、ICカードによるユーザー認証技術を備えた、PCoIP(PC over IP)プロトコルベースの仮想デスクトップソリューション「AZ Dektop Cloud Platform」の提供を開始した。オラクル(旧サン・マイクロシステムズ)が提供してきた仮想デスクトップソリューション「Sun Ray」からの乗り換え需要に加え、シンプルな運用でセキュアな仮想デスクトップ環境を実現したい顧客への普及を狙う。

アズムの「AZ Dektop Cloud Platform」利用イメージ(中央がICカードリーダー)。ICカードを差し込むだけでユーザー自身の仮想デスクトップに接続される
製品発表会に出席したアズム 代表取締役の岡田修門氏ゲスト登壇したテラディチ シニアプロダクトマネージャのパトリック・マウロ氏

 AZ(エージー)Desktop Cloud Platformは、「VMware Horizon」「Amazon Workspaces」などのPCoIPプロトコルに対応した仮想デスクトッププラットフォームやDaaSに対応するソリューション。独自のコネクションマネージャーやブローカー、サーバーエージェント、クライアントソフトなどを提供することで、仮想デスクトップ環境(Windows、Linux)にICカードによるユーザー認証機能を追加する。

 今回は、PCoIPの開発元であるカナダのテラディチ社から技術協力を受け、ゼロクライアント端末のPCoIPファームウェア最新版でICカード認証への対応も行っている。

「AZ Dektop Cloud Platform」の概要。PCoIPベースの仮想デスクトップ環境に、ICカードによるユーザー認証機能を付加する

 AZ Desktopを採用した環境では、個々のユーザーがICカードリーダーに自分のカードを差し込むだけで認証が完了し、個人の仮想デスクトップに接続される。さらにパスワード認証も追加して、二要素認証にすることも可能。また、モバイルクライアントからの接続の場合は、トークンを使ったデバイス認証で接続できる。

 こうした仕組みにより、ICカードを持ち歩くだけでどのゼロクライアント端末からでも自分のデスクトップ環境に接続できる。ICカードを抜くだけで接続が遮断されるが、セッションは維持されるため、ユーザーに不便をかけることなくセキュリティ対策が実現する。

 また、異なるネットワークに接続された仮想デスクトップを用意し、複数枚のICカードを使って接続先の環境を簡単に切り替えることもできる。これにより、いわゆる「インターネット隔離」の対策も簡単にできるとしている。

2つの特徴的なユースケース。「ICカードを差し込む」「カードを切り替える」といった単純な運用なので、ユーザーの負担も少ない

 販売価格はオープンで、最小100ライセンスからの販売となる。サーバー側のライセンス(同時接続数ライセンスまたはユーザー数ライセンス)と端末ライセンス、サポートを含む市場予想価格は、1シートあたり7万560円前後(5年ライセンス契約)。初年度5000ライセンスの販売を目標としている。

ICカードを“鍵”にするシンプルさ、既存Sun Rayユーザーの移行も促進

 アズム 代表取締役の岡田修門氏は、今回のソリューションを開発したのは、旧サン・マイクロシステムズが提供していたSun Rayクライアントソリューションの開発/販売終了が発表されたのがきっかけだったと説明した。

 アズムでは、これまで長年にわたってシンクライアントビジネスを手がけており、Sun Rayについても5000端末以上を地方自治体などに導入してきたという。しかし、旧サンを買収したオラクルがSun Rayの開発/販売終了を決めたことから、そのマイグレーション先となる新たなソリューションを必要としていた。

 新たなソリューションでは、ICカードを差し込むだけの簡単なユーザー認証と、前回作業していた状態(セッション)がそのまま維持される「ホットデスク(Hotdesking)」が要件となった。これは、Sun Rayが実現していた機能であり、顧客における運用管理もこれを前提としたものになっているためだ。

 アズムによると、たとえば仮想デスクトップの認証に使うICカードを入館証(カードキー)と共用しているケースもあり、この場合は社員の入社/退社時にICカードの貸与/返還をするだけで、単純かつセキュアな運用ができる。また、ICカードがカードキーになっていれば、離席時にはそれを端末から抜き出すことになり、結果としてデスクトップの不正使用を防ぐ効果もある。こうしたシンプルな運用を変えたくないという顧客の希望は強いという。

 加えて今回は、Sun Rayの時代には普及していなかったクラウドサービス(DaaS)に対応できるよう、PCoIPベースでソリューションを構築している。

 アズムでは、これまでSun Rayを利用してきた顧客のマイグレーション需要のほか、ユーザー教育の手間がかからないシンプルな仮想デスクトップソリューションとして、地方自治体、教育機関、医療機関、コールセンター、製造業などの顧客をターゲットとしていくと述べている。

 なお発表会には、PCoIPの開発元であるテラディチから、シニアプロダクトマネージャのパトリック・マウロ氏も出席した。PCoIPプロトコルを利用した仮想デスクトップソリューションは、すでに1000万以上のユーザーに利用されており、同社がPCoIPエンジンを提供する各社のゼロクライアント端末も300万台以上の出荷実績があると説明した。

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