4年目……このペースじゃさすがにヤバイ……
【平成26年11月1日
~平成27年10月31日】
売上 53,589,905円
利益▲14,624,143円
── 売上がほとんど変わってない!むしろ微減している!
そうなんですよね……ただ前年が悪かったので予算も下げておいたんです。なので赤字は1400万円くらいにおさえられているんですけど、4年間で言えば、トータルで4000万円くらいは赤字です。この年はWeb雑誌も始めてるんですよ。そこで漫画『Stand by me 描クえもん』を描きはじめたので、『特攻の島』を描くペースが遅くなり、単行本は年1冊しか出なくなり、雑誌をつくる経費は増えて……
── 大変じゃないですか。
大変なんですよね。漫画だけ描いてれば、年2冊とか単行本が出て、経費もそんなに使わないし、作画スタッフに給料を支払っていれば問題なく回るんですけど。電子書籍の取次業をはじめたら、毎月作家さんにレポートを送ったり、データをストアに納品したりとか、いろいろ事務的な仕事が増えてくるんですね。そっちのスタッフも増やさないといけなくなって。
それと取次を始めたと言っても、プロの作家は何だかんだと出版社とのしがらみがあり、すぐにサービスを利用してくれない。取次の中心は同人作家やセミプロの方々で、こう言っては非常に申し訳ないのですが、手間はかかるけど、正直、あんまり手数料は入ってこない。そういう作家の作品を売るノウハウがぼくたちになかった。一方、著作の電子書籍の売上はなだらかに落ちていっていて……
── 新規事業がなかなか軌道にのらない。第2創業期のような時期ですね。
『ブラックジャックによろしく』二次利用フリー化をきっかけに、「もう紙とは決別しよう、電子書籍で生きていくんだ」と考え、ストアと契約し、電子書籍の取次業を立ちあげ、Web雑誌を発行し、自分たちでもメディアとしてやっていくんだと考え、そのすべてをやりはじめた時期でした。
── 焦りはありましたか。
それまで貯めてきたぶんがあるので、借金しなければいけないということはなく、すごく焦っているというわけではないんですけど。「このペースじゃヤバイな」というジリジリした感じでしたよね。でもこれはまだ我慢のしどころなんだ、自分の給料を減らしてがんばろうと思っていました。
── 無借金経営なんですか、驚きました。
借金は1回もしたことがないですね。雪国の生まれなもんで、「冬場はモノを大事にとっておいてちょっとずつ食べる」というのが身についているんですね。
── リスのような経営ですね。そしてドキドキの2016年ですが……








