ナチュラルな書き味
手書きデータをクラウドにアップすることもできる
実際の筆記感覚は、従来の手書きデバイスの先人であるCrossやAnoto系のペンと比較して、軸径が実測10.77mmとスリムに成長したBamboo Slate Smallのペンゆえ、普通のボールペンとなんら変わらないナチュラルな感覚で極めて扱いやすい。
初めて描く内容として適切かどうかは別にして、イラストと文字をBamboo Slate Small上に記述してみた。書き終わったページ全体をBluetoothで連携したスマホにデータ転送するには、単にBamboo Slate Smallの額縁部分の左下にあるボタンを押すだけでいい。
今回、慌て者の筆者は、イラストの動物の“ヒゲ”を描き忘れたために、一回ページ転送を行なった後で、再度、ヒゲの線(8本)と「ヒゲを描きわすれた」というおバカな文章、立体的な影付きイメージの矢印を後で書き加え、ボタンを再度押して、2回めの転送を行なってしまった。
実際に1回目のスマホアプリへの転送結果を見れば分かるが、その時点のイラストには8本のヒゲがなく、「ヒゲを描きわすれた」というおかしな文章も立体的なイメージの矢印も転送されていない。
そして再度、同じページに書き込んだヒゲと追加文章、矢印は2回目の転送で2ページ目としてスマホ側に転送されてしまっている。
冒頭でご説明した特殊な紙を使用することが大前提のAnotoの手書きデバイスなどでは明確に“ページ”という概念をシステムが理解しているために、このような事はまず起こらない。
たとえば、ずっと昔に記述したページにさかのぼってそのページに何かを追記しても、その追記は正しく本来のページに再度反映される。
残念ながらBamboo Slate Smallは、ページという概念がないので、ボタンを押したところまでが最初のページとなり、その後、記述した内容は、次にボタンを押した時にその次のページ内容として記録される。
何か手書きデバイスを探している人なら、ここで、Anoto社の特殊用紙(少し値段が高い)のメリットを選択するか、街の文具屋さんで入手可能なノートや最悪レストランの紙ナプキンでも、字の書ける紙ならどんな紙でも対応できるBamboo Slate Smallを選択するか、判断がいることになる。
Bamboo Slate Smallでは、そういう追記の場合には複数ページにまたがってしまった時系列の手書きページをデータとして結合することが可能だ。
アプリ上で結合したい複数ページを指定して、結合すれば、複数ページに渡って書き込まれた時系列データは1ページにまとめることができる。
そして、これも昨今の手書きデバイス系では標準機能になっているが、JPGやPNG、PDF、WILL(Wacom Ink Layer Languageの略、手書きデータの業界標準を目指すワコム独自のオープン規格)などのフォーマットで一般的なクラウドサービスにもエクスポート可能だ。
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