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Apple vs. Samsung 米最高裁はSamsungの意匠特許侵害の損害賠償金の見解を支持して再算定へ

2016年12月09日 09時00分更新

文● 末岡洋子

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 米連邦最高裁判所は12月6日(米国時間)、AppleとSamsungの特許係争における損害賠償金の算出方法を不服としてSamsungが訴えていた件について、Samsungの主張を大筋で認めた。

 これは当初言い渡されていた3億9900万ドル(約450億円)の損害賠償金が減額することを意味する。損害賠償はSamsungによる意匠特許(デザイン特許)違反に対してだが、違反部分が「要素」である場合は、「製品全体」の意匠特許違反と同じように扱うべきではないという見解に基づくものだ。

 SamsungとAppleは複数の訴訟を展開しているが、この訴訟は2012年にSamsungがAppleの実用特許と意匠特許(角が丸い長方形の黒い前面を持つ形状など)を侵害したとして、5億4800万ドル(約620億円)の損害賠償金支払いを命じられたことに端を発する。このうち、意匠特許が該当するのは3億9900万ドルだった。この金額は、Samsungによる意匠特許侵害が認められた、同社製スマートフォン11機種の売上から算出されている。

 Samsungはこの3億9900万ドルについて、全体の売上を基準としている点を不服とし、取り消しを求めて2015年末に訴状を提出していた。

 2015年、連邦巡回区控訴裁判所はSamsungの訴えを退けた。消費者はパーツをバラバラにスマートフォンを購入できないため、侵害した「製造品」の売上に基づくべきだとの考えからだ。今回は「製造品」とはスマートフォン全体なのか、カバーや画面(などの部品)なのかが争点の一つとなり、最終的にスマートフォン全体でなくても良いという意見が支持された。

 判決文では、「製造品」の解釈について、消費者に販売される製品、それに製品の部品の両方が可能としている。これを受け、Samsungが支払う損害賠償金は再度算出されることになる。

 New York Timesらの報道によると、Samsungはこれを、「Samsung、そして創造性、イノベーション、公正な競争を促進するすべての企業にとっての勝利」とするコメントを出した。一方のAppleは、「我々の訴訟は、我々のアイディアをSamsungがあからさまに模倣していることについてであり、これに関しては疑いの余地はなかった」とコメントしている。

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