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業界人の《ことば》から 第220回

シャープ257億円営業利益に向け「1年以内に真似される商品」を

2016年11月08日 12時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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Be Original.に込めた意図は誠意と創意、そして新たなオリジナル

 戴社長は、この取り組みは長期的なものであることも示唆する。

 「シャープが本当の輝きを取り戻すためには、2017年度以降も安定的に利益を確保し、拡大していくことが重要。そのためには現在、集中的に進めているコスト削減策に加えて、売上拡大に徹底的にこだわること、そして、お客様に評価される付加価値の高い商品・サービスの創出により利益率を改善することに、全力を挙げてほしい」と述べる。

 そして「こうした取り組みを積み重ねていくことで、何としてもV字回復を果たし、遅くとも2018年度には東証1部への復帰を目指す」とする。

 シャープは、この日、もうひとつの発表を行なっている。

 それは、新たなコーポレート宣言として、「Be Original.」を発表したことだ。

 Be Original.は10月に開催した「CEATEC JAPAN 2016」のシャープブースで先行公開していた言葉だが、11月1日付けで新たなコーポレート宣言としてニュースリリースを出して、全社で使用する正式なメッセージとした。

会場に大きく出ていたBe Original.の文字

 Be Original.の言葉には、創業の精神である「誠意と創意」がこれからも変わらないシャープの原点であることを示し、独自商品やサービスを通じて「新たなオリジナル」を作り続ける姿勢を盛り込んだという。

 社内ではかつてのシャープの代名詞であった「目のつけどころがシャープ」を、新たな言葉に置き換えたものという前向きなとらえ方もされている。

 戴社長は「Be Original.は単に社外に向けた宣言ではない。私たち一人ひとりが創業の精神である『誠意と創意』を取り戻すことによって、すべてのステークホルダーの信頼回復を実現するための、自己変革の宣言」とする。

 戴社長はこのなかで「遅くとも1年以内にすべての事業部門でシャープの原点である『他社に真似される商品』の創出を目指してほしい」と要望する。

 この改革に向けたスピード感はかつてのシャープにはないものだ。このスピード感に社員がついていくことができるのかどうかが気になる。最初の成果が出る前に、つまづかないかがまずは心配だ。

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