スマホを置き忘れても安心!
通信が途絶えたところのログをクラウド保存
ひとまずチポロをスマホのすぐそばに置いてみると、アプリ画面上の表示はチポロ固有の名前のすぐ下に「手の届く範囲」と表示される。
これはペアリングされたスマホとチポロが最も近い距離に存在することを表わしている。
真ん中の呼び鈴の描かれた大きなグリーンのアイコンのすぐ上に小さなグリーンのドットが表示されている。これは縦に5段階並んだ小さなドットの最も下位置で、ここが“手の届く範囲”を明示的に表現している。
このあたりまで来ると、筆者の場合は、ファームウェアのアップグレードを推奨されたので、早々にアップデートを行なった。アップデート中に“マルバツゲーム”(三目並べ)をやって、仕上がりを待つことのできるしゃれた趣向だ。
バージョンアップが終わったら、さっそく筆者はチポロを筆者の愛用のカバンの持ち手に取り付けた。
チポロとスマホの距離関係は、最も近い「手の届く範囲」(小ドットは一番下)からもっとも遠くてBLE電波を失いそうな「かなり遠い」(小ドットは一番上)まで全部で5段階ある。この「かなり遠い」からより離れてしまうと、スマホから見れば筆者のカバンは行方不明となる。
実際にチポロのスペックはその通信可能距離は60mと記述されているが、実際に使ってみるとそれはチョット大袈裟だ。
筆者の実際の感覚では長くても見通しで30mというのが今の感覚だ。もちろんチポロは“トラッカー”(追跡者)なので、距離が離れてしまったからと言って、何も対応しないわけではない。
基本的には、追跡親機のスマホの監視域から通知範囲外にチポロが移動してしまうと、スマホ側で警告音を出すように設定できる。
しかし、たとえばチポロを取り付けたカバンをオフィスの自席に置いたまま、スマホを持ったオーナーが自席から大きく離れて、別の部署や別のフロアに行ってしまうと、自席に残されたチポロは約90dB(もう少し小さい感じはするが)の警告音を鳴らしてしまうことになる。そしてほぼ同時にスマホも警告音を発する。
これは当たり前に便利なようでいて、意外と普段の生活では困ったことになってしまうケースでも多いだろう。
このため、基本的にはユーザーは特別の理由がない限り、この機能は使わないことが多そうな予感がする。同じ警告音が鳴るのでも、整理整頓の極めて悪いオフィスや自宅の書斎、寝室などで、見つからないスマホを探すにはチポロは極めて便利だ。
スマホが自宅やオフィス内などで限定されたエリアのどこに置いたか忘れてしまった場合には、とにかくチポロを持って思い切り振ってみれば解決する。
通知範囲内(無線通信の届く範囲)であれば、行方知れずのスマホが警告音を発し、お知らせには規定のメッセージである“ここにいますよ! 見つかるのを持っています”というジョークのようなお知らせが表示される。
問題は、見渡せる範囲ではなくて、どこかにスマホを置き忘れた場合だろう。そんな最悪の場合でも、チポロを取り付けたカバンまで一緒に同時に紛失さえしていなければ、最後にスマホとチポロの通信が途絶えた場所の位置情報とその時刻をクラウドで保持している。
パソコンでチポロのウェブサイトにアクセスして、自分の行方不明のスマホに任意のメッセージを送ったり、サウンドを鳴らすことができる。
運が良ければこれでスマホは無事持ち主の手元に返ってくる可能性はあるだろう。しかし、このあたりまでの“遺失物トラッカー”なら、程度の差こそあれ、いろいろなところが過去にも販売してきている。

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