新サービス「Door」や「Gate」のほか、LoRaWAN事例も披露

いよいよグローバル展開!「世界のSORACOM」へ向かう道

大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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グローバルSIMの提供を開始し、120カ国・地域で利用可能に

 そして、今回の目玉はSORACOMプラットフォームのグローバル対応だ。この数ヶ月で同社は約30億円の資本調達を行なっており、シンガポールには現地法人も設立した。今回は、複数の通信キャリアとの契約により、グローバル用SIMの提供を開始したことが発表された。現時点で120以上の国と地域に利用できるという。

1つのグローバルSIMで世界中つながる

 また、SORACOM Airから新発表のGateまで含め、8つのサービスすべてがグローバルで提供されるほか、SORACOMの管理コンソールから一括管理できる。「単に通信できるだけではなく、グローバルのSIMを一括で回線管理でき、セッション情報から接続エリアもわかるようになっている」と玉川氏はアピールする。

グローバルのSIMをWebコンソールで一括管理。接続エリアもわかる

セッション情報から接続エリアもわかる

 これに伴いソラコムは接続ポイントである「ランデブーポイント」を増設し、東京リージョンに加え、AWSのフランクフルトリージョンを追加している。ランデブーポイントはAir、Beam、Funnel、Endorseの通信元になるほか、CanalのVPCピアリング、Directの専用線接続、DoorのVPN接続もすべてここから行なえる。また、SORACOM DoorでVPN接続したり、SORACOM CanalでVPCピアリングすることで、異なるランデブーポイントの接続も可能。今後もランデブーポイントは拡充していく予定となっている。

 グローバルSIMの通信料金は4つのゾーンごとに異なっており、北米やヨーロッパは特に低廉な料金体系に設定されているという。当初は、30枚のグローバルSIM、6ヶ月分の基本料、300ドル分の通信費を含んだ「PoC(Proof of Concept)キット」として提供。PoCキットの価格は税込4万9800円となっている。

グローバルで試せるPoCキットを提供する

 グローバルSIMは紙幣の印刷を手がける小森コーポレーションですでに用いられている。同社はヨーロッパの印刷機の稼働データをSORACOMを収集し、SORACOM Doorを用いてデータ解析基盤のある米国にデータを転送している。これにより、さまざまな国や地域にある印刷機のデータを一元的に分析することが可能になっているという。

デル、三井物産などグローバル展開に向けた高い期待

 グローバル展開に関してはソラコムのパートナーも大きな期待を寄せる。基調講演ではソラコムとグローバルでのパートナーシップを目指すデルの最高技術責任者である黒田晴彦氏が登壇し、LTE搭載PCでSORACOM対応を進めるとともに、グローバルでのIoT市場をソラコムといっしょに切り開きたいと語った。

 また、ソラコムとIoT分野で資本業務提携した三井物産の常務執行役員 ICT事業本部長の北森信明氏も登壇し、三井物産のIoT戦略とソラコムへの期待を語った。

三井物産 常務執行役員 ICT事業本部長 北森信明氏

 北森氏は、企業活動が従来の「モノ売りビジネス」から「サービス型のビジネス」にシフトする中、ITを高度活用し、OT(Operation Technology)を効率化するIoTが重要になると指摘。資源や食料、機械、化学、生活産業などさまざまな業界でIoT事業を手がける三井物産にとって、産業ごとのソリューションを横断する汎用性を持ち、グローバル展開を積極的に進めるソラコムはきわめて重要なパートナーだという。

 北森氏は「安価かつ柔軟な接続プラットフォームを提供するソラコムに出資した。ソラコムのサービスは画期的。IoTの変革のスピードを加速するといっても過言ではない」と高く評価し、株主としてソラコムをしっかり支えていくとアピールした。

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