今回のことば
「吉永小百合さんには、深くシャープのことを考えてもらっている」(シャープ・高橋興三社長)
厳しい声あがるシャープ株主総会
シャープが2016年6月23日、大阪市西区のオリックス劇場において第122期定時株主総会を開催した。
鴻海精密工業による買収を決議する株主総会であるとともに、独立経営のシャープとしては最後の株主総会。そのせいもあってか、シャープOBの株主も数多く来場。質疑応答でも、シャープOBがマイクを握って質問するケースが見られた。
高橋興三社長は株主総会の冒頭で、壇上に並んだ役員全員を起立させ「2559億円の最終赤字という大変厳しい状況となり、さらに4期連続での無配となった。株主には迷惑をかけた。深くお詫び申し上げる」と陳謝した。
ここ数年のシャープの株主総会は毎回、陳謝から始まっている。そして今年の株主総会は例年以上に厳しい発言が多かった。
株主の間からは「そこにいる役員全員が役員賞与を返上するのは当たり前。役員報酬も全額返上してほしい」といった声のほか「社長としては失格」、「こんなざまにしたのは、みなさんのせいだ」といった厳しい声があがった。
なかには片山幹雄元社長や大西徹夫前副社長が移籍した日本電産の永守重信会長兼社長の名前をあげ、「永守さんに社長をやってもらえば、こんな事態にはならなかった」などといった声もあがるほど。経営陣に対する厳しい追求が続いた。
さらに、鴻海精密工業との提携が決定したのちに、偶発債務に関する情報を公表したことや、それをきっかけに払込額が約1000億円減少したこと、払込が実行されなかった場合にも、鴻海はシャープの液晶ディスプレー事業を買収できるオプションが盛り込まれたことなど、鴻海のペースで契約条件が変更したことに対する不満が噴出。また、10月5日の払込期日までに鴻海から払込が行なわれるのか、あるいは仮に払込が行なわれなかった場合にはどうなるのか、といったことに対する懸念が、株主の口から相次いだ。
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