前へ 1 2 次へ

最新パーツ性能チェック第193回

Crucial初の3D TLC採用SSD「MX300」の速度をチェック

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ベンチマークでパフォーマンスを計測

 「MX300」の最大のウリは向上した耐久性だが、パフォーマンスも気になるところ。ここからは、主要ベンチマークテストの結果を見ていこう。なお、テスト環境は以下の通りで、別のシステムSSDからOSを起動。「MX300」にはデータが書き込まれていない状態でテストを行なっている。

 今回、比較対象は用意しなかったが、SanDisk「Ultra II SSD」、Crucial「BX200」、Patriot「BLAST」の960GBモデルを「今なら3万円! 960GB格安SSDの売れ筋3製品をチェック」でテストしているので、参照してもらいたい。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-6700K」(4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド)
マザーボード ASUS「Z170M-PLUS」(Intel Z170 Express)
メモリー G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」(PC4-24000、8GB×2)
グラフィックス Intel HD Graphics 530(i7-67600K内蔵)
SSD SanDisk「SDSSDHII240G」(240GB)
電源ユニット Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD)
OS Windows 10 PRO(64ビット)

リード・ライトともに500MB/secを超えるが
性能は「BX200」とほぼ同じレベル

 使用したベンチマークは「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」、「ATTO Disk Benchmark v3.05」、「CrystalDiskMark 5.1.2」の3種類。

 まず、「ATTO Disk Benchmark v3.05」でシーケンシャルリード・ライトの最大パフォーマンスをチェックしてみると、リード535MB/sec、ライト513MB/secの公称スペック通りになった。

「ATTO Disk Benchmark v3.05」の結果

 次は「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」の結果だ。シーケンシャルリード・ライトともに公称値を下回り、リード473MB/sec、ライト459MB/secになった。ランダムもリードは公称値を超える9万2636iopsだが、ライトは7万5561iopsと低めだ。

 なお、Marvellコントローラーなので、圧縮率の違いによる転送速度差は出ないと思われたが、念のため「AS SSD Benchmark」の「Compression Benchmark」を実行すると、リード・ライトともに460MB/sec前後で、ほぼ安定していた。

「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」の結果

「AS SSD Benchmark」の「Compression Benchmark」の結果

 最後は「CrystalDiskMark 5.1.2」の結果。データサイズは定番の1GiBに加えて、キャッシュあふれを確認するために、32GiBもテストしている。

「CrystalDiskMark 5.1.2」の1GiB

Crucial「BX200」960GBモデルの結果

 「Seq Q32T1」のシーケンシャルリード・ライトは公称値に近い数値だが、「Seq」は今ひとつの数値になっており、リードは以前テストした「BX200」の960GBモデルのリード539.9MB/secから110MB/sec近くもダウンしている。

 日常用途で重要になってくるランダムのパフォーマンスは、リード371.5MB/sec、ライト330.8MB/secと十分な速度を発揮。SanDisk「Ultra II SSD」やPatriot「BLAST」といったエントリー向けSSDと同レベルのスコアーになっている。

 なお、テストデータ32GiBでもキャッシュがあふれることはなく、書き込み速度が低下することはなかったので、ひと安心だ。

テストデータ32GiBの結果

耐久性重視でコストを抑えたい人は
一考する価値ありの「MX300」

 TLCながら、MLC SSDに匹敵する1日あたり120GBを書き込んだ場合で5年間使用できる220TBの書き換え可能容量(TBW)を実現しているのは、非常に魅力的だが、パフォーマンス的には従来モデルから大きな向上は見られない「MX300」。

 アクセス速度に関しては、日常使用での体感に現れることはないと思われる差だが、現状のラインアップが750GBモデルのみなのも含め、購入者を選ぶ製品になっている。

TLC NANDながら220TBのTBWを実現したCrucial「MX300」。容量750GB「CT750MX300SSD1」は、2万3000円~2万4000円で販売中だ

 耐久性は実際に使い続けないとなんとも言えないところだが、コストを抑えつつ、キャッシュ書き込みが多いウェブ動画を頻繁に視聴するノートPCや、編集作業のキャッシュデータ領域、仮想OSデータの保存領域などに使えるSSDが欲しかった人は、一考してみるのも良いだろう。

※お詫びと訂正:テストデータ32GiBの結果の画像に誤りがありました。正しいファイルに訂正し、お詫びいたします。(2016年6月28日)

【関連サイト】

【機材協力】

前へ 1 2 次へ

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
05月
07月
08月
09月
10月
11月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
09月
11月
12月
2022年
02月
07月
08月
09月
10月
11月
2021年
03月
04月
05月
06月
07月
08月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
2019年
09月
11月
2018年
01月
05月
10月
2016年
06月
09月
2015年
01月
02月
11月
2014年
03月
06月
2013年
04月