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Crucialから64GB DDR5メモリーがついに登場!

DDR5で64GB×4枚=256GBメモリー搭載PCがついに実現!その実力は!?

文●飯島範久 編集●北村/ASCII

提供: マイクロンジャパン

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 高速メモリーの大容量時代の幕開けだ。DDR5メモリーが登場したのは2021年のことだが、その年にインテルの第12世代CoreプロセッサーでDDR5メモリーに対応。AMDも2022年にRyzen 7000シリーズから対応した。

 それから3年の月日が流れたが、これまでメモリー1枚の最大容量は48GB止まり。メモリースロットが4つ搭載されたマザーボードでは、最大192GBが限界だった。それでも最大容量を目指してDDR5メモリーを4枚差しにした人もいたと思うが、4枚差しにすると動作クロックが遅くなるため、できれば2枚差しがいいと言われており、最大容量にするのに二の足を踏んでいた人も多いことだろう。

 そうしたなか、ついにCrucialからDDR5で1枚64GBモデル「Crucial 64GB DDR5-5600 UDIMM」が登場。2枚で128GB、4枚で256GBが実現できるようになった。そこで、今回は64GBモデルを使って大容量メモリーのメリットを検証してみた。

「Crucial 64GB DDR5-5600 UDIMM」2枚組。128GBを2枚で実現可能に

※お詫びと訂正:メモリーの最大容量の数値に誤りがありました。記事を訂正してお詫びします。(2025年5月21日)

DDR5は2枚差しが鉄板と言われるのはなぜなのか

 まずは、メモリーについてざっくり解説しておこう。パソコンをはじめスマホでもタブレットでも、CPUがOSやアプリを動かすためにはデータを短期的に保持するメモリー、RAM(Random Access Memory)が必要だ。

 初期のパソコンでは、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)と呼ばれる、クロックサイクルごとに読み書きを1回行なうことで、CPUのタイミングと自動的に同期する方式をJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)が1993年に規格した。この方式により、前の命令の処理を完了する前に次の命令を受け付けることが可能となり、非同期のDRAMに比べ高速に動作するようになった。

 その後、2000年にDDR(Double Data Rate)と呼ばれる、1サイクルに2回データを転送する方式が規格化。これにより、さらなる高速化を果たした。

 そして、ここからバス信号や帯域幅の改善、消費電力の削減、新たなアーキテクチャーの導入など、DDR2、DDR3、DDR4、DDR5へと飛躍的に進化してきた。SDRAMの時代に比べると、データレートは100~166MT/秒だったのがDDR5では3200~6400MT/秒に。動作電圧は、3.3Vから1.1Vへとなり、高速転送かつ低消費電力を実現している。

 では、なぜ2枚差しなのかというと、DDR2のときにメモリーをペアにして差す「デュアルチャネルモード」という、メモリーのスループットをさらに向上させる技術が生まれたからだ。これは、メモリーチャネルを2つ備えたマザーボードで、1つのコントローラーがデータの読み書きをしている間に、もう1つのコントローラーが次の準備をすることで、1つのメモリーが読み書き処理を繰り返す遅延を実質解消するというもの。これにより、1.5倍程度の高速化が図れるため、対応マザーボードでは同じメモリーを2枚差して利用することが基本となった。

 ただ、メモリースロットが4つある場合、4枚差してはダメなの? という疑問が湧くだろう。メモリーには読み書きするサイクルがあることは前述の通りだが、それはメモリーによって決まっている。たとえば、今回紹介する「Crucial 64GB DDR5-5600 UDIMM」メモリーは、5600MT/秒の転送速度で動作することが保証されている。この転送回数が多ければ多いほど、高速に転送されることになる。ただし、対応する転送速度はマザーボードによって異なる。マザーボードのスペック表を見てみると、下記のようなことが記載されている。

・ 1DPC 1R Max speed up to 7200+ MHz
・ 1DPC 2R Max speed up to 6000+ MHz
・ 2DPC 1R Max speed up to 6000+ MHz
・ 2DPC 2R Max speed up to 5400+ MHz

 「1DPC」はチャネルあたり1枚装着、「2DPC」はチャネルあたり2枚装着を意味する。「1R」、「2R」はDIMM(Dual Inline Memory Module) と呼ばれるモジュールタイプの場合、データのやり取りは64bit単位で行われる。このとき、64bitになるDRAMのグループが1つなら1R(Rank)、2つなら2Rとなる。DDR5-5600 64GBメモリーは16個のDRAMチップで構成されているので、2Rにあたる。

 つまりメモリーの転送速度は、Rankによっても異なり、2枚差しと4枚差しによっても異なることがわかるだろう。そのため、2枚差しより4枚差しのほうが、転送速度が落ちるため、2枚差しのほうがいいというのが見解だ。

 ただし、転送速度を決めるのはこれだけでなく、「CASレイテンシー」と呼ばれる、CAS信号を発してから読み書きが実行されるまでの遅延時間というものも関係してくる。メモリーには「CL46」などと記載されており、DDR5-5600 64GBメモリーの場合は5600MT/秒時の遅延時間は46クロックであることを示している。データレートが落ちると、CASレイテンシーも短くなるが、データレートの落ち幅とレイテンシーの短縮幅の関係で、転送速度の落ち具合が決まってくる。そのため思ったほど落ちない可能性もある。

 4枚差しにしたとき、動作の安定性でいえば、きちんとした製品を選べば特に問題はなく、2枚差しより転送速度が落ちるといっても実際どれほどの差がつくのかにもよるだろう。今回の検証ではそのあたりも確認していきたい。

16個の自社製DRAMを搭載した「Crucial 64GB DDR5-5600 UDIMM」メモリー

Crucialの「64GB DDR5-5600」は片面に8個ずつのDRAMチップを搭載

 今回発売されたCrucialの「64GB DDR5-5600」は、16個のDRAMを両面に配置して実現している。DRAMチップはもちろん、自社であるMicron製で、長年DRAMを開発、生産してきただけに、信頼性の高さと安定したパフォーマンスの高さはご存知の通り。制限付き無期限保証であることが、その自信の表われでもある。

DRAMは自社製チップを採用。長年DRAMチップを開発・生産してきただけに、性能と信頼性は抜群

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