1MOREからカナル型イヤフォン「1MORE Piston Classic E1003(以下、Piston Classic)」が発売されました。かつて小米(シャオミ)から「Mi」ブランドで販売された「Piston 2」の復刻版ということです。そのオリジナルは偽物が出まわるほどの人気で、2015年3月までにシリーズ累計で450万台以上を出荷したのだとか。
すでにe☆イヤホンで先行販売中で、価格は2980円。ダイナミック型ドライバー1発のシンプルな仕様ながら、その価格レンジを逸脱した性能には、かなり驚かされました。
ただ、世の中には完璧なイヤフォンは存在しません。同じ1MOREのダイナミック型ドライバー搭載イヤフォン「1M301」と比べながら試してみました。
細部の作りやパッケージにも高級感が
まずドライバーは、振動板にPET樹脂と航空機用チタンを使い、広帯域特性を狙った独自開発のダイナミック型。そして低域レスポンス向上と閉管共鳴を抑制するために、前面ノズル側の根本とドライバー背面にチューニングホールが開いています。
これをメーカーでは「デュアル防振システム」と呼んでいますが、そのチューニングには、ラテン・グラミー受賞エンジニアのLuca Bignardiが協力しているといいます。
ケーブルは引っ張り方向の強度を確保すべくケブラーで補強され、プラグからY字部分まではメッシュで覆い、Y字部分からイヤフォンまでの間はエラストマーの被覆材を使っています。これはケーブルが絡むのを防ぐため。ケーブルのY字部分には、iOSとAndroidに対応した3ボタン式のマイク内蔵コントローラー付き。
このように使われているドライバーやチューニングの方法論、ケーブル回りの仕様は、1MOREの現行シリーズと共通です。違いはハウジングのデザインのみ。
このハウジングは切削加工によるアルミの削り出しで、丁寧なヘアライン加工が施されています。表面はアルマイト仕上げで、そのカラーバリエーションはゴールド、グレー、ピンクの3色。iPhoneとのコーディネイトはバッチリでしょう。
付属品は、本体をはめ込みケーブルを巻きつけて携帯できるシリコン製のイヤフォンフォルダー。イヤーピースは本体装着のXMのほかに、S/M/Lの3セット。そしてステンレス製のケーブルクリップ。こうした外観、パッケージも含めて、価格不相応の高級感を漂わせています。