Mac伝統のディスクメンテナンス機能、お約束の「First Aid」
まず実行すべきは、Mac伝統のディスクメンテナンス機能「First Aid」だろう。OS Xでは「Disk Utility」に含まれる機能として認知されており、HDDなどストレージの物理障害を検出/修復する役割を担ってきた。El Capitanでは「System Integrity Protection」の導入に伴い、アクセス権の検証/修復機能が取り除かれているが、ストレージとしての機能をチェックする目的には変わらず利用できる。
なお、システムが通常モードのとき(リカバリーモードでないとき)First Aidを実行すると、自動的に「Live Mode」が適用される。Live Modeでもエラーチェックは可能だが、検出された箇所によっては通常モード時では修復が難しいため、リカバリーモードで実行し直す必要が生じるかもしれない。
ストレージの自己診断機能、「S.M.A.R.T.」の詳細情報をチェック
Disk Utilityでディスク全体を選択すると、画面下部に「S.M.A.R.T. 状況」という欄が表示されるはず。このS.M.A.R.T.とは、HDDやSSDに搭載された自己診断機能のことで、累積の使用時間や電源投入回数のほか、読み書き不能になったセクタ数、書き込みエラー率などのデータがハードウェアレベルで収集される。
OS Xの場合、IOKitフレームワークにS.M.A.R.T.情報にアクセスする機能が用意されており、問題が発見されなければDisk Utilityには「検証済み」と表示されるはずだ。
しかし、ただ「検証済み」といわれても素直に信じられないのが人の性。具体的なデータを示してほしい、そんなときにはサードパーティー製ユーティリティに頼ろう。
たとえば、「DriveDX」(10日間試用可)はS.M.A.R.T.の検査項目を具体的に表示してくれる。問題のないHDD/SSDであれば、温度を示す「Temperture」以外は100%もしくは100%に近い値のはずだ。気になる場合には、データ読み込み時に発生したエラーの割合(No.1のRaw Read Error Rate)、問題が生じて使用されなくなったブロックの数(No.5のRetired Block Count)、現在異常があり代替処理を待つセクタの数(No.196のCurrent Pending Sector Count)あたりをチェックしておけばいいだろう。これらの項目が前回実行時より悪化していれば、物理障害発生の兆しと警戒したほうがいい。

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