家電量販店はSIMフリー機売り場と格安SIM窓口を積極展開
家電量販店の店内配置はまるで生き物のように変化しており、今、はやりや注目の商品があれば、多く面積を取り、場所も良いところに展示している。そのため、都心部の家電量販店のSIMフリー機売り場の場所や広さを見れば、注目の商品であることは明らかだ。
例えば「BIC SIM」というブランドを付け、いちはやく格安SIMのIIJmioの受付カウンターを設けたのはビックカメラ。SIMフリー機とセットになる格安SIMの展開を強化し、それまでMNPで格安SIMを申し込んだ際は、申し込みから郵送到着までの数日間、電話が使えない期間があったが、ビックカメラで店頭手続を開始することで、その場で乗り換えが完了し、空白期間なく通話も格安SIMに乗り換えが可能になった。
最初はビックカメラの主要店舗から順次スタートしたが、今やほぼ全店で展開している。ビックカメラに立ち寄れば同番号乗り換えのMNPを含めて格安SIMを開通させ、購入したSIMフリー端末とともに使える状態で持ち帰ることが可能になっている。
店頭で店員さんと端末を選び、SIMを開通させて持ち帰ることが可能という点では、楽天モバイルやイオンモバイルと似ているが、ビックカメラの場合は、特定の端末というものがなく、顧客が自由にSIMフリー端末を選び、SIMを組み合わせる点が特徴。
SIMフリー機の売れ筋ブランドのASUSやファーウェイはもちろん、レアなブランドまで多数取り揃えられたSIMフリー機を選べる。
また、SIMと端末をバラバラに買えば、格安SIMを使うための設定に戸惑うこともある。その点も有料の設定サポートメニューが用意されるなど、悩んだ場合の対策も用意されている。さらに、現在はOCN モバイル ONEのサービスを受け付ける「BIC モバイル ONE」も開始している。
格安SIMの取り扱いは、ライバルであるヨドバシカメラも進めている。ビックカメラよりもスタートは遅れたが、現在は格安SIMのカウンターを設置して即日MNPなどに対応している。
ヨドバシカメラも自社オリジナルプランとしてワイヤレスゲートの格安SIMを扱っているが、そのほかにも複数の会社の格安SIMを扱い、窓口で即日MNPに対応している。
そのほかの家電店もこの流れに追従する感じになっており、家電店で格安SIM開通というのはもはや当たり前になってきている。
リアル店舗展開や、端末セット販売も進む
そのほかの格安SIMでも、例えばmineoやU-mobileは直営店を展開。即日契約ができ、どちらもテレビCMや有名タレントを起用していることで、知名度も高い。
また、格安SIMの大手のOCN モバイル ONEは直営店こそ出していないものの、より一般ユーザー向けの販売施策を進めている。
OCN モバイル ONEはCM展開も積極的だが、自身のオンラインショップで「gooのスマホ」として端末セット販売も積極的だ。その特徴はなんといっても価格。SIMパッケージ込みで1万円(税別)というセットも用意され、低予算でスマートフォンが持てるものとなっている。
gooのスマホは現在、主にZTE製のスマートフォンで展開していることから、なじみのある国内ブランドを主に展開する格安SIMとは真逆。しかし、価格こそ最優先という層の需要にしっかりと応えている。
しかも「NTT」の冠が付き、対応が確認されたセットになっていることから格安SIM初心者には非常に加入しやすいものとなっている。
格安SIMは誰でも加入しやすい環境が整いつつある!
少し前なら詳しい人向けだった格安SIM。活用するにしても、詳しい人が契約から設定まで自分でやらなければならず、“安いには理由がある”とはっきり言えるものだった。
ところが、今は相談、加入、設定までやってくれる店舗の登場で、誰でも加入できるものへと変化した。また、格安SIMはスマートフォンの調達にお金がかかるが、gooのスマホのようにジャスト1万円でも動作保証のあるスマートフォンがセットが用意されることもある。
格安SIMはキャリアメールの問題など3大キャリアのサービスを完全に代替できるものではないが、一部のデメリットを理解さえすれば幅広い人が格安にスマートフォンを持てる体制が整った。
この春、身近な人に「安くスマートフォンを持ちたい」と相談されたときは、格安SIMが加入できるお店を紹介すればよさそうだ。

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