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2月25日に正式発表

シャープが鴻海傘下への意向、有機EL事業に2000億円投資

2016年02月25日 20時10分更新

文● 貝塚/ASCII

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 シャープは2月25日、台湾 鴻海精密工業傘下での再建を決議したことを正式に発表した。シャープは、鴻海精密工業、鴻海精密工業子会社のFoxconn Limited、Foxconn Technology、SIO International Holdingsを割当先とした新株式を発行する。発行価格は1株118円で、鴻海精密工業と鴻海精密工業子会社3社で65.8%の株式を保有する予定で、シャープの親会社になる。

 同社は経営の再建にあたって2015年秋頃から複数社と協議を進めていたが、2016年には産業革新機構と鴻海精密工業の2社に絞って協議を進めた。産業革新機構からは、ディスプレーデバイス事業を分社し、3000億円出資した上でディスプレーデバイス事業をジャパンディスプレイに統合させる提案があったが、最終的には鴻海精密工業へ第三者割当投資を行なうことに決めた。

 理由について、ディスプレーデバイス事業を強化し、成長していくにあたって十分な出資が受けられること、鴻海精密工業とシャープが液晶事業において相互補完関係にあること、ブランドや既存従業員、商品ラインアップ、エコシステムなどを維持する意義についての十分な理解が示されたこと、などをあげている。

 また第三者割当の新株式を発行するに至った理由として、「自己資本比率の改善及び財務状況の回復のためには、負債である社債発行や資金の借入ではなく、株式などの発行による資本制の資金調達を行うことが不可欠であり、確実且つ迅速に資本制の資金調達を行うためには、行使までに時間がかかる新株式予約権等の発行ではなく、新規株式発行の方法によること、且つ、不確実制の残る公募増資や株主割当ではなく、第三者割当の方法によることが適当でありました」(原文)とプレスリリースでは述べられている。

 鴻海精密工業からの調達額の手取概要額はおよそ4890億円で、「OLED事業化に向けた技術開発投資、量産設備投資」に2000億円、「ディスプレイデバイスカンパニーにおける中型液晶領域を中心とした高精細化・歩留り改善投資、次世代技術開発投資、その他増産・合理化投資等」に1000億円など、いくつかの使途が明かされている。


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