PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第19回目は、エビやカニやヤドカリたちが戦う3D格闘アクション『NEO AQUARIUM』を紹介する。
待って待って待って、本当だってば。信じて欲しい。アクアリスト、ウソツカナイ。本当にエビが戦う、というかエビになって戦うゲームなのだ。いま、確実に海洋生物バトルの風が吹いてきている。
この海で、俺より強い奴に会いに行く!
新時代のアクアリウム到来
海中の空間を切り取ってお茶の間に転送できるようになった近未来。実際の海の中を鑑賞できる次元連結水槽『NEO AQUARIUM』は空前のアクアリウムブームを生み出したが、海に住む生物たちにとっても地球創生以来の刺激だった。
その結果、生物たちは秘められた戦闘能力を引き出し、なかでも甲殻類たちは最も早く戦いに覚醒した。そうしたなか人類は、複数のアクアリウムを連結させ生物同士を戦わせる“アクアリウムバトル”を始めたのであった。。。
というのがNEO AQUARIUMの設定である。だからこのゲームのキャラクターは甲殻類だ。
このほかにカニやヤドカリなども控えており、彼らを使ってプレイすることもできるが、まずはオーソドックスなエビがオススメだぞ。
エビがどうオーソドックスなのかは知らないが……。ほら、カニよりブラックタイガー(エビ)とかの方がよく口にする機会が多いと思うから。
海中を暴れまわれ!
キャラクターを選んだら早速プレイだ。キーボードでも遊べるが、気軽に遊ぶならコントローラーがオススメだ。NEO AQUARIUMはコントローラーをサポートしており、Xbox 360やエレコムなどのゲームパッドで快適にプレイできる。
そして左スティックでエビを前に進めると……最初の敵“アサヒガニ”のお出ましだ。
敵の姿が見えたらこちらも攻撃しよう。敵に向かって“X”ボタンを押せばビーム(遠距離攻撃)を発射でき、Yボタンを押すとレーザーのハサミ(近距離攻撃)で切り刻むことができるぞ。
さらにパワーを溜めれば、ホーミングするビーム近接攻撃や周りを巻き込む大爆発などさまざまなスキルを発動できる。
足がもげた?脱皮で回復だ
NEO AQUARIUMの面白いシステムとして、“部位欠損”が存在する。これはどういうものかというと、甲殻類は節足動物なので敵の攻撃によって手足が取れてしまうことがあるのだ。
足が取れれば移動速度が下がってしまうし、手が取れれば近接攻撃ができなくなってしまうため、プレイヤーはなんとかして失った手足を回復しなければならない。その方法が、“脱皮”だ。
そう、脱皮することにより新品の体になれるのだ。ただし、脱皮時にはパワーゲージを全て消費してしまうため、一時的にスキルが使えなくなってしまうデメリットもある。
手足が欠けたまま戦況を維持するのか、それとも一時的にスキルが使えなくなるが手足を元に戻すのか。ただ脱皮するだけではない、システムとの密接な関係がゲームに奥行きを出している。
また、部位欠損はただ欠損するだけではなく、自分から手足を切り離すシステムとも繋がっている。攻撃されて失ったものではなく、こちらから切り離した手足はレーザーやミサイルを出すことができるため、よりバリエーションに富んだ攻撃ができるのだ。
こうした欠損も脱皮で回復可能だ。さらに脱皮すると周りの有機物を取り込んだ分だけパワーゲージの上限を解放できる仕組みもある。つまり、戦闘中にも関わらず脱皮時により進化を遂げているわけである。
甲殻類界の王となれ!
ちなみに、さきほどの部位欠損スクリーンショットで戦っていたのは“フジツボ”である。そう、あの岩にへばりついている貝のような生物だ。しかし実際は甲殻類である。もちろん移動はできないため、フジツボでプレイする場合は繁殖によって移動しなければならない。
また、カニの方は当たり前だが横にしか移動できない。このようにNEO AQUARIUMでは、それぞれの生物がもつ特徴をうまく生かして戦うことが求められる。
とは言えズワイガニのように体が大きいことはそれだけで強く、体全体からビームを出されるとかなり苦戦を強いられることになる。
さらにはネタバレになってしまうので姿はお見せできないが、ストーリーモードのラストでは巨大な海洋生物との戦いも待ち受けているぞ。
甲殻類 VS 人間!
巨大生物を倒してストーリモードをクリアすると、次はEXモードがプレイできるようになる。こちらではなんと甲殻類と同じサイズになった人間とのバトルが楽しめる。
ただし、サイズが同じだけで兵器を使用しないとは言ってないので水中銃や機雷など、さまざまなテクノロジーを使ってくるから気をつけよう。ホント人間ってずるいな。
また、NEO AQUARIUMは対戦プレイにも対応しており、コントローラーを複数台使ってのローカルプレイやネットワーク対戦も楽しめる。
もちろんアクアリストの期待を裏切らない機能もある。
NEO AQUARIUMではストーリーをクリアするごとにイソギンチャクや海藻などの素材が手に入り、それらを使ってステージを自分なりに飾ることができるのだ。
つまりバトルができるうえにバーチャルアクアリウムも楽しめ、さらにそのアクアリウムのなかをエビやカニになって歩き回れるシミュレーター要素もあるのだ。アクアリストならこれはもうマストバイ。
きたるべき近未来に備え、キミも今日からエビになって戦おう!
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●Nussoft
●898円(2015年6月9日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション、独立系開発会社
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
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