CA幹部に聞く「CA Application Performance Management 10」の新機能と方向性
CAのアプリケーション性能管理製品は“問題診断型”へ進化
2015年12月25日 09時00分更新
タイムラインビューは、アプリケーションパフォーマンスの経時的な変化を“巻き戻して”見ることのできる機能だ。これにより、パフォーマンス障害が「いつから」「どこで」始まったのかが突き止めやすくなる。「医者のたとえで言えば、ウイルス感染が蔓延した場合に『最初の感染者が誰なのか』を突き止められる」(ガーディス氏)。
3つめの差異分析は、統計学的な手法によって平常時の値との差異(標準偏差)を自動的に分析するものだ。事前に設定されたしきい値に基づく単純なアラートではなく、急激な変化(スパイク)がどこで、どの時点で発生したのか、どの程度の偏差の大きさなのかを一覧で俯瞰できる。
「差異分析によって(アラートの)ノイズが排除できる。さらに、まず着手すべき問題はどれなのかがわかりやすくなる」
新しい「EPIC」モデルでアプリケーションエコノミー時代の企業を支援していく
こうしたCA APMの方針変更は、幅広いAPMユーザー企業への調査結果に基づくものだと、ガーディス氏は説明する。
CAでは、2年間にわたってユーザー企業がどのようにAPMツールを使っているかをインタビュー調査し、企業においてアジャイルオペレーションの実現を妨げている典型的な要因をあぶり出した。たとえば多数の監視ツールの乱立、専門知識を持つプロフェッショナルへの業務集中、トラブルシューティングでの時間浪費によるイノベーションの遅延といったものだ。
「そこでAPM 10から、われわれはAPMの新しいモデルをスタートさせた。それは『EPIC』という言葉で象徴される。使いやすく、すみやかに価値を生み出すという意味の『E(Easy)』、事前予防的な対策を可能にする『P(Proactive)』、価値のある洞察を与える『I(Intelligent)』、アプリのライフサイクルを通じて(他ツールとの)コラボレーションを可能にする『C(Collaborative)』の頭文字だ」
CA Technologiesが「あらゆる業種の企業がソフトウェア企業になる」というメッセージを掲げ、「企業のアプリケーションエコノミーを支援していく」というスタンスを明確にしたのは2014年のことだった(関連記事)。それから1年、現在では日本においても、UberやAirbnbに代表されるような「“破壊的な”ビジネスイノベーションの登場」、「企業ビジネスのデジタル化」といった事象に多くの注目が集まるようになっている。
このようにビジネス環境が変化した結果、企業は「アプリケーションのアジャイルなオペレーション(運用)」を必要とするようになっていると、ガーディス氏は指摘する。今回のAPM 10もその実現を支援するためのツールであり、その他のDevOps関連製品も含めて「本当の意味でのDevOpsを実現するお手伝いをしていく」と語った。
「顧客がアプリケーションエコノミーの時代をどう進んでいくべきか、CAがそのナビゲート役としてお手伝いできれば、と考えている。日本市場では特に、パートナーと一緒になって製品群のGo To Marketの取り組みを進めていきたい」