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ビジネスユースから考えてみる

iPad ProとSurface Pro 4、冬のボーナスで買うならどちらがオススメ?

2015年11月28日 10時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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 「iPad Pro」と「Surface Pro 4」には共通点が多い。12型クラスのタッチパネルディスプレー、ペン、着脱が可能なキーボード一体型カバー、OSのメーカーが作っているハード、などなど。サイズも292.1×201.4×8.4mm(Surface Pro 4)、305.7×220.6×6.9mm(iPad Pro)と大きく違わない。

 まずはスペック表を見てみよう。

  Surface Pro 4 iPad Pro
OS Windows 10 Pro iOS 9
プロセッサー Core M3/i5/i7 A9X
ディスプレー 12.3型液晶(2736×1824/267ppi) 12.9型液晶(2732×2048/264ppi)
ストレージ 128/256/512GB/1TB 32/128GB
メモリー 4/8/16GB 非公開
SIM - nanoSIM
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac 802.11a/b/g/n/ac
カメラ 8メガ 8メガ
インカメラ 5メガ 1.2メガ
駆動時間 最大9時間 最大10時間
サイズ 292.10×201.42
×8.45mm
220.6×305.7
×6.9mm
重量 766/786g 713/723g
カラバリ シルバー(本体)
ブラック、ブルー、ブライトブルー、レッド、ティール、オニキス(Surface Pro 4 Type Cover)
シルバー、ゴールド、スペースグレイ
価格 13万4784円から 10万3680円から
※モデルごとに仕様が異なる製品については、選択できる仕様をすべて記載。

 プロセッサー、メモリー容量、OSには決定的な違いを見るが、やはり似た部分が多い。そうなると、プロセッサー、メモリー容量、OSの違い(あとはデザイン)で選ぶことになる。

何がしたいかで選ぶしかない?

 プロセッサー、メモリー容量、OS、となると、つまり、何ができるか/したいかの話になると思う。ビジネスユースに的を絞って考えてみよう。ビジネスで使うなら、Microsoft OfficeとアドビのCreative Cloudについては気にしておきたい。

 Microsoft Officeについて、iOS端末ではこれまで無料版のOfficeが利用できていたため、iPad Proも無料で使えそうに思うが、iPad Proはディスプレーサイズが10.1型を超えているため、Officeの利用にはOffice 365のサブスクリプションプランの契約が必要だ(月額1274円)。契約しなくても利用自体はできるが、閲覧モードとなってしまうため、”普通に”使いたければ、契約はほとんど必須だ。iOSで利用できるドキュメント製作ソフトとして、アップルの「Pages」「Numbers」「Keynote」は用意されており、これらはWord、Excel、PowerPointとの互換性があるため、割り切ってこちらを利用するのも手だ。

 次にアドビのCreative Cloudだが、iOSではデスクトップ版とは異なり、Creative Cloudシリーズの「モバイルアプリ」を利用することになる。「Lightroom Mobile」や「Premiere Clip」などデスクトップ版のアプリと近い名称のものもあるが、基本的にiOSのUIに最適化され、タッチ操作で可能な範囲の作業を実行するためのアプリケーションとなっている。「Photoshop Mix」による画像合成や、「Illustrator Draw」によるベクター描画など、かなり高度な作業もできるが、デスクトップ版のような操作感やパフォーマンスを期待するものではない。ただ、デスクトップアプリのCreative Cloudの利用にはサブスクリプションが必要なのに対し、モバイルアプリは無料で利用できる。これはうれしい点だ。

iPad ProはノートPCではないが
Surface Pro 4はほとんどWindowsノートPCとして使える

 上記のように、OfficeとCreative Cloudの2大アプリケーションを「ノートPCと同じように」使おうとすると、iPad Proでは悩んだり、工夫を強いられるシーンがいくつかあるはずだ。もし、外出先でもOfficeやCreative Cloudを使って普段と同じ作業を、同じようにこなしたければ、Surface Pro 4を選ぶ方が後悔しないはず。Windows 10 Proを搭載しており、上位モデルならばマシンパワーも十分だ。

 スペックや特徴に共通点が多いように思える両機だが、やはりOSの違いは大きく、できることは近いようで異なる。

iPad Pro、どんな人におすすめなのか?

 では、Surface Pro 4よりもiPad Proを導入するといいのはどんなユーザーだろう? なかば個人的な見解となるが、やはり強くお勧めできるのは、Macを中心としてPC環境を構築しているユーザーや、iPadシリーズをすでにビジネスに導入しており、さらに高いパフォーマンスを求めるユーザーだと思う。

 iCloud経由であらゆるコンテンツが自動的に同期されている利便性は、Mac、iPad、iPhoneと揃えて使ってみるとよく実感する。iPad Proも工夫次第でノートPCに近いことはこなせるが、「ファイルを圧縮してクラウドストレージに保存する」「プリンターに有線接続する」など、ビジネスシーンで求められるごく一般的な作業の中に、つまづくシーンが多いのは確かだ。

まとめてみる

 簡潔に言うと、Windows PCでやっていることをそのままするのにはiPad Proは向かないが、Surface Pro 4よりもiPad Proを導入した方が環境に合う人もいる……ということになると思う。

Surface Pro 4の方が向く人

  • Windows PCでしていることをそのまましたい
  • Microsoft OfficeやAdobe Creative Cloudを(PCと同じように)使いたい
  • 外部機器をたくさんつなぐ
  • Windowsに慣れている

iPad Proの方が向く人

  • Macを中心とした作業環境だ
  • iPadユーザー、またはiPadを入れたワークフローを自分の中で想定できる
  • iPadでイラスト製作をしたかった
  • iOSの操作に慣れている

 以上、私見も入り混じっているが、購入時の参考にしていただければ幸いだ。


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