ドコモは11月26~27日、横須賀の同社R&Dセンターにて「DOCOMO R&D Open House 2015」を開催。次世代通信方式“5G”関連の最新技術など同社の研究成果を公開した。
ドコモは7月22日に世界の主要ベンダー8社と行なっている第5世代移動通信方式(5G)に関する実験を拡大、計13社と実験や技術開発の推進で合意したと発表しているが、今回の技術公開はこれらベンダーとの共同研究の成果となる。DOCOMO R&D Open House 2015はドコモが研究開発中の技術を公開するイベントだが、今年は5G関連展示は複数の電波暗室を備えた別棟に集約して展示している。
展示の冒頭、担当が5G開発の現状を解説。モバイル通信は10年ごとに大きな進化を果たしており、現在主流の4G(第4世代)LTEおよびLTE-Advancedは2020年以降に5Gに移行するロードマップが示された。ドコモの目標性能はピークデータレート10Gbps以上、無線区間の遅延は1ms以下、端末同時接続数100台など。現在は5G実験と要素技術検討段階で、今後は5Gの標準化を進めて2020年以降に商用化というプランだ。
5Gを構成する主要技術に含まれるのは、ソフトバンクグループのWireless City Planningが11月24日に実験試験局免許の取得を発表した「Massive MIMO」などの8要素。Massive MIMOは基地局のアンテナを増やすことで通信容量を拡大できる技術だ。
電波暗室では15GHz帯の高周波数帯を用いたマルチビームMIMOにより受信時最大10Gbpsを超えるリアルタイム高速無線データ伝送を公開。ドコモとエリクソンと共同で進めるこの伝送実験は4ストリームのMIMO多重通信で実現している。今後は電波免許取得後に屋外実験を開始する予定。
来場者の注目を集めていたのはノキアとの共同研究による5G通信による4Kストリーミング。8台の4Kテレビへの映像伝送のほか、5GのビームフォーミングをVRヘッドマウントディスプレーにより可視化するデモも行なわれた。